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15話:大洪水、原発事故で異常な放射線量値

 多くの人が、2、3時間以上もかけて自宅に帰った。そのため、国道を歩く人達の顔には疲労の色が隠せず、早足で歩き続けていた。2時間位して水も出て電気も回復した。


 そしてテレビをつけると、東北の太平洋岸の町で、車や家が流されている光景や大型船が町中に押し流されている光景が現れ、地震のすごさを感じた。18時過ぎ頃に仙台近くの港の対岸の海が燃えている光景が入った。


 NHKテレビでは、油が流れ出し引火した模様だとアナウンサーが話していた。その後、仙台空港に大津波が押し寄せていると言う報道が入った。どす黒い海水がすごい勢いで仙台空港の1階に入り人々は2階、3階に避難していた。


 しかし、洪水の勢いはすごく、1階はもちろん、2階も水があがり、3階、屋上に多くの人が避難している光景も見ていると、寒気がして、鳥肌が立った。内陸部では、ガソリンスタンドに車の行列が並び、ガソリンが売り切れてる映像が映し出された。


 3月11日と言えば、東北では朝晩、マイナスになる日もあるほどの寒さだ。 東北道路、常磐道など、東北に続く道路は、通行止め、東北新幹線の他、列車も運休、飛行機も運休。また、大型漁船が町中に流されて、座礁してる風景がテレビ放送で流れた。


 そして、アナウンサーが、できるだけ早く少しでも高い場所に逃げて下さい。命の危険を感じて、素早い避難をと、声を張り上げて、放送していた。次に町の高台の寺の境内から避難してきた人々が、総立ちになって津波を見ていた。


 津波で流されてる家の2階から助けてくれと言う悲鳴を悲痛な面持ちで聞いてる避難者の顔も映し出した。疲れ切って憔悴しきった中高年の女性の頬をつたって、涙が落ち、呆然と津波のすごさを眺めていた。


 まさに、放心状態であろう事は、手に取るようにわかった。でも放送を見てるだけで何もできなくて柳生家の人たちも固唾をのんで映像をくいいるように見ていた。そして柳生敦夫が、少しでも彼らの役に立つように募金を送ろうと言うと子供達も賛成した。


 結局この晩は、眠れぬ夜を過ごし夜通しテレビを見ていた。翌日は、東京電力、福島第一原子炉の冷却用のポンプが洪水で2011年3月11日、15時41分、機能停止した。そして、原子炉への冷却水が送れないという緊急事態が発生。


 このまま行けば、炉心溶融が起きて大量の放射能が大気中に放出されるとアナウンサーが沈痛な面持ちで放送していた。19時3分に枝野幸男官房長官が首相官邸での記者会見にて原子力緊急事態宣言の発令を発表。


 20時50分に福島県対策本部から1号機の半径2kmの住民1864人に避難指示が出された。内閣総理大臣の要請により19時30分には防衛大臣が自衛隊の原子力災害派遣命令、翌3月12日9時20分に再度命令。


 21時23分には、菅直人内閣総理大臣から1号機の半径3km以内の住民に避難命令を出したほか、半径3kmら10km圏内の住民に対し「屋内退避」の指示が出た。


 23時16分、日本経済新聞は「経済産業省原子力安全・保安院によると、冷却水を注水するための非常用ディーゼル発電機が稼働せず、現在はバッテリーで動かしている」と報じた。


 0時49分、東京電力は1号機の「原子炉格納容器圧力異常上昇」により、原子力災害対策特別措置法15条に基づく特定事象発生が発生したと判断。1時20分に通報を行った。


 また海江田経産相は3時5分からの記者会見で原子炉格納容器の破損を防ぐため1号機に関してベント作業、すなわち格納容器内の蒸気の放出作業の実行を発表。翌3月12日、7時すぎ、菅直人首相が、ヘリで第1原発に降り立った。


 そこに1時間弱、滞在し、職員らから状況の説明を受けた。10時17分、電源喪失状態の中で作業でベント作業が開始されたが、作業は難航。最終的にベテラン作業員1人の手により14時30分に弁の開放は成功した。


 格納容器の破損は免れたが10分程の作業で人間が1年間に浴びても良いとされる放射線量の100倍以上に相当する106.3ミリシーベルト「約110万マイクロシーベルト」の放射線を浴び作業員の男性は吐き気やだるさを訴え病院に搬送された。

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