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希望のスタンプ
「なぁ、ヨクイさん、あんなこと言って、大丈夫なのか?」
雪道を行くテロリンとヨクイさん。テロリンは、やはり心配そう。でも、
「大丈夫だよ。きっと、うまくいくよ……!みんなで力を合わせれば、きっとできるよ!」
「そうは言ってもだな……。」
「いいから。付いて来て。」
真っ白い息を機関車の様に、これでもかと吐き出しながら、雪をものともせずにザクッ、ザクッ、と力強く進むヨクイさん。
「今、あの子たちに必要なのは、サンタでも、プレゼントでもなくて……きっと、希望だから……!」
ヨクイさんの、その足取り以上に力強い言葉。テロリンも、もうさっきまでの様な弱音を言いません。
「……ヨシ……!ヨクイさんが言うなら……。」
真っ白い絨毯の様な大地に、足跡が2列。
「そうだな……ヨクイさんの言う通り、きっとうまくいくな……!」
「ウン!」
雪景色に並んで押されるスタンプは、ズンズンと延びて行きます。