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大切な贈り物²

「そろそろいいかな?」

冷ましておいたケーキ。もう、これで十分に美味しそう。でも、このままでは『いつもの美味しいチーズケーキ』。ここからが『特別なチーズケーキ』です。

「上手くいってくれるかなぁ。」

1層目の生地の上に、2層目の生地をトローリ、トロリと流し込んで……。

「よしよし、いい感じ、いい感じ……。」

ゆっくり、ゆっくり、優しく、優しく、ならしていくと……まるで、チーズケーキはお化粧をしたかのよう。ここまでくれば、もう一息。じっくりと冷やして、固まってくれるのを待ちます。

 皆への想いがつまった素敵なケーキを、冷蔵庫へ入れるヨクイさん。ふと、たくさんの果物が宝石のように散りばめられたケーキと、それを囲む皆の姿が浮かび揚がり、思わずニッコリ。

「……ヘヘッ。」

ケーキが固まるのを待つ間、パーティーの準備をするヨクイさん。部屋の天井や壁は飾り付けされされ、テーブルクロスやイス、ソファのクッションもクリスマス仕様へ大変身。それはまるで魔法のよう。ヨクイさんが手をヒラリ、またヒラリと動かせば、パッ、と、部屋に「クリスマス」が花開き、その雰囲気が漂います。

 「あとは、ツリーを持ってきてもらうだけかな……?あ。リースがまだだったっけ。」

ズーリがこの日の為に、皆へ配ってくれたお手製のリース。これを飾らないことには、この町のクリスマスは始まりません。

「えーと、どこへやったかな……?」

あっちをゴソゴソ……こっちをゴソゴソ……戸棚の中、その上、テーブルの下……いろんな所を探しているうち、ふと、両足の間から部屋をのぞいて見ると……

「あっ‼」

逆様の世界で、ミクリットがくれた手作りのぬいぐるみが、リースを抱き抱えているではありませんか。

「あったー!うわっ⁉」

喜んだ拍子に、コロン、と一回転。世界もグルンッ、と元通り。

「ふはっ……ビックリしちゃった……。」

振り向き、ぬいぐるみを見るヨクイさん。

「恥ずかしいとこ、見られちゃったな。」

思わず苦笑い。ミクリットがヨクイさんに似せて作ってくれた、ぬいぐるみ。しばし見つめて、立ち上がり、近づくヨクイさん。

「ありがとう。大事に持っていてくれたんだね。」

ぬいぐるみに語りかけ、思わずニッコリ。

「今年は、ここがいいね。」

 大切な友達からの贈り物2つ。リースとぬいぐるみにとっても、特別な日、特別なクリスマス。どこか、幸せが漂っている様で。

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