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ステキな工場にステキな来訪者

「二人とも、来てくれたんだね!」

ヨクイさんの円い耳が、クピン、クピン、と可愛く動いて、その嬉しさを、いっぱいに表します。その様子に、シノンとミクレットはニッコリとしながら、コクン、と頷くのでした。

「ステキな招待状、受け取ったから、ね。」

「そうよ。」

そう言うと、二人は徐に、あの大群たちが配達したであろう、小さな紙片を取り出して、そしてまた微笑むのでした。

「二人のところにも届いてたんだ!」

「カワイイ配達員が届けに来てくれたよ。ヨクイさんのステキな想いを、ね。」

「この招待状、記念に取っておかないと。私の宝物、また一つ増えたわ。」

シノンもミクレットも、何だかとっても嬉しそう。

「今年のクリスマスプレゼント、とってもステキなのを先に貰ったから、これから、いっぱい返さないと、ね。」

「みんなで頑張って、子供たちをいっぱい、いっぱい、喜ばせてあげよう。今年のクリスマス、ヨクイさんをサンタさんにしてあげる。」

二人の言葉に、ヨクイさんのあの円い耳が、またクピン、クピン。

「二人とも、アリガトー!」

ポスッ、ポスッ、と、白い絨毯に可愛らしいい足跡スタンプを残しながら二人に駆け寄るヨクイさん、そのまま、二人を抱え込む様に、ギュッ。

「こちらこそ、ね。」

「うん。」

三人とも、互いをギュッ、として、互いにニッコリ、として。

 「二人とも、こっち、こっち。」

おもちゃ工場の心臓部へと向かう三人。と、シノンとミクレット、森の中に現れた、その光景に目を奪われます。

「わぁっ……!」

「これはスゴい……!」

絶賛、フル稼働中のその様子に、ミクレットだけでなく、普段は冷静なシノンも、いたく興奮したようで、揃って感嘆の声を漏らすのでした。

「どう?凄いでしょ!」

「ウン!。これは凄いや。」

満面の笑みのヨクイさんの問いかけに、シノンが眼を輝かせながら頷きます。

「素晴らしい職人の方々が、ステキな願いの為に、その腕を惜しみ無く揮っている……!ここは、最高の工場だよ、世界一のおもちゃ工場さ!」

ヨクイさん方へ向き直した、薄らと紅くなったその顔が、シノンの興奮の度合いをよく表しています。

「本当にステキなとこね。ヨクイさん、招待してくれて、本当にありがとね。」

ミクレットはまた、ニッコリと。嬉しそうです。

「二人にそう言ってもらえて、僕も嬉しいよ!でも……」

ヨクイさん、顔をちょっと紅らめながら、頭をポリポリ、と。

「……手紙を出したのは、僕じゃないんだけどね……。」

ちょっと、苦笑いです。と、そこへ

「お褒めに預かり、光栄だね。」

その、手紙の差出人の登場です。例の如く、パイプを蒸かしながら、フフフ、と笑っています。

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