モグモグ・タイムのちサムズアップ
並べられたテーブルの周りに集まった「サンタたち」、ガフに配られた図面を見て、ワイワイ、ガヤガヤ。その手には、片方にはペンが、そして、もう片方にはサンドイッチやカップが。
「なるほどな。じゃあ、ここは……。」
「それなら、そことその周りは私がやろう。」
「なら、私は一番外側のこれを……。」
〇やレ点、また、不思議な記号とを描き込んでいき、あっ、という間に全ての図面が色とりどりに彩られ、埋め尽くされていきます。
反対に、ついさっきまでサンドイッチが山積みだった大きなお皿は、真っさらに。
「スゴイね!あれ、全部おもちゃの図面なの?モグモグ……」
「モグモグ……本当にビックリだよな。俺たちがここに来て、それからそんなに時間が経ってないのに。それも、いつの間にやら出来ている、ていう……。モグモグ……」
ヨクイさんもテロリンも、驚きを隠せません。
そんな二人を見て、ガフとズーリはハハハと、笑って見せます。
「何、実は結構、使い回しもあるんだ。」
「大元になるものは、そんなに大きく変わったりしないからね。それを少しづつ、変えているのさ。」
「今年用に、予め用意したものもあったしな。」
「特にそれが役に立ったよ。だからこんなに早く出来た訳さ。」
こんなの訳ないさ、といった感じです。
「だとしても、普段からこういった事を生業としてないと、こう上手くはいかないよなぁ。」
テロリンの言葉に、ヨクイさんもウンと、同意します。二人とも、感心しきりです。
「嬉しいね。それなら、これからもっと驚かせられるかな。」
「まだ何かあるの?!」
笑みを浮かべるガフとズーリに、またも驚きの表情を浮かべるテロリンとヨクイさん。
「もちろんさ。まだまだ、これからが本番だよ、二人とも。なあ?ズーリ。」
ガフが普段見せる姿とは違う、どこかひょうきんな風で、語りかけます。ズーリはいつも通りの様ですが、どこか目が力強いものになっています。
「ああ、そうだとも。さあ、ヨクイさんの夢をカタチにしに行こう。」
特性の大きなカップに入ったスープを、ズゥッ、と一口。そして、頼もしさ溢れるサムズアップを、グッ、としてみせたのでした。