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生焼けクッキー
ふと街角でお姉ちゃんを見かけた。
知らない男の人と腕を組んで ニコニコ笑っている。
笑っているけど なんだか仮面をかぶっているみたいでとても悲しそう
ぱち、と目が合った
一瞬目を見開いた後 何も見なかったかのようにお姉ちゃんは男の人と一緒にどこかに行ってしまった。
家に帰った後布団の中にはいってもあの時の光景が頭の中でぐるぐる回っていた。
あの男の人は誰なのか
どうして笑っているのにあんなに悲しそうだったのか
二人はどこに行ったのか
何よりお姉ちゃんが私のことを忘れてしまったかのように家に帰ってこないことが悲しかった
次の日 朝起きてもう一度クッキーを焼いてみた
今度は焦がさなかったけれど
中身が生焼けで、お姉ちゃんのほろほろのクッキーの味にはまだまだ程遠い