練習です
お前なんて生まれて来なければよかった、わたしはよくこの言葉を投げつけられる。
ひどいものだ。まぁ自分でも確かにそうだなぁとしか思っていないけれども。
クラスの人だとか先輩だとかに言われるならまだしも(それでもひどいけど)、親に言われるのだからわたし可愛そう...
まぁそんな戯言は置いておいて、わたしは今困っている。
「なぜ家に帰れない...」
高校から帰っている途中、いつも通っている道で迷子になっているのである。いや、迷子とはちょっと違う。
もう1年半も通っている道だ、間違えるはずがない。
「同じ道が繰り返されるんだよなぁ、ここまで行くと...」
そう言いながら軽くジャンプをする。
「こうっと、ここまで戻ってくる」
何故か家まであとすこしのところにある電柱を通り抜けたら学校の前の横断歩道の所まで戻ってくるのだ。
ほかの帰り方と考えたけど、この帰り方しか知らない。土地勘がない上方向音痴なのだ。
便利なスマホのマップも何故かGPSを受信してくれない。
「スマホ変えたばっかなのに...。所持金もゼロに等しいし、お腹がすいたのに何も買えない状態、こまったくまった...」
目の前の横断歩道の信号が青になったが渡らずに考え込む。どうしたら家に帰れるかと。
先程言った通り、親には好かれてない。けど別段虐待を受けてる訳では無いし、ご飯もちゃんと出してくれる。お小遣いもくれるのでわたしは帰りたくないと思わないのだ。
「あ、家に電話かければいいんでは」
なぜ今の今まで思い浮かばなかったのだろうか、不思議で仕方が無い。
さすがに圏外ってことは...ない......は......ず、
「ですよねーですよねーー」
スマホの左上に表示されている「圏外」の文字を見てつぶやく。
自分でフラグ立てちゃったもの...やらかした。
どうしたものかと考える......。
私にどうこうできる問題なのか、そんな疑問が浮かぶが頭を振る。そんなマイナスなことばっか考えてたら帰れるものも帰れない。
「こういうことよくあるから、まぁ、いつか帰れるだろう」
わたしはこういう怪奇現象(?)によくあう。自称霊感のある友達に聞いてみたら「何かに憑かれてるとかではないけど、いろいろ寄せ付けやすい体質」と言われたことがある。
いろいろってなんだよ、と突っ込んだものだった。
じわりっ......
急に背後に人の気配を感じた。
わたしはすぐに後ろを向きながらジャンプして距離をとった。
「あれれぇ、気づかれちゃったかぁ」
幼い女の子がいた。幼稚園の制服を来ている。幼稚園児だろうか、かわいい。
「みるはね、お姉ちゃん倒しにきたの!」
そう言いながらとやっとポーズをとるロリ。かわいい。
「そうなんだねぇ、なんでかな?」
緩む口元できく。かわいいかわいい。
「え、とね。あ、それはゆっちゃいけないお約束なのだ」
口元に人差し指でばってんを作る。かわいいかわいいかわいい。
「そっか、じゃあいいや」
わたしは学校のカバンの中からナイフを取り出す。このカバンナイフと筆箱しか入ってないんだよな、人に見られたら終わりじゃん。
「お姉ちゃん、るみには勝てないんだからねっ!可愛い子に弱いんでしょ?じゃあるみ可愛いからお姉ちゃんの負けだよ!」
「可愛い子に弱いってどこ情報かな?うーん、まぁ可愛い子は大好きだけど、大好きだからこそ」
幼女が瞬きした瞬間、幼女の目の前に移動する。
「殺してたくなるんだよね」
「えっ...?」
首を掻っ切る。幼女は何があったか分からないみたいな顔をしながら倒れる。
「君みたいな悪い子は自分がなんで死んだかわからず死ぬのがお似合いだよ」
べろり、血のついたナイフをなめる。
「幼女の血うまいなぁ、お腹すいてるから余計にね」
それにしても、と辺りを見渡す。
「これを殺しても結界が解けないってことは、まだ誰かいるのかな?この近くかな?それとも遠くから結界をはってるのかな?」
怪奇現象じゃねえじゃん特に、怪奇現象と結界の違いがわかりまてん。
幼女の方に目をやる...と
「お姉ちゃん、やるねっ!」
立っていた。首から血は流していない。
「......!」
確かに殺したはずだ、なのに...