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魔法使いの森  作者: 小野小町
7/12

飛行練習

 12時の鐘が鳴り響く頃、リリアナとメアリーは

 メアリーのパン屋に帰宅して、

 パンと、ポタージュスープと、コーヒー、そして

 ウインナーを食べた。

 メアリーはお皿を片付けながら言った。


「これでお前の装備はバッチリじゃ、腹ごしらえが済んだら、ブロッケンの森に向かう。ホウキに乗り飛ぶ方法、そして魔法の基本を教えるからね」


 リリアナは、「分かったわ。出来るか分からないけど、頑張るわ。楽しみよ。子供の時、空を飛べたらどんなにかいいのに……って思ってたの」と、ウキウキした表情で話した。

 メアリーは頷きながら、

「簡単ではないぞ。何度も飛行に失敗すれば、怪我をするかもしれん。だが、

 私は一通り魔法は使えるから、安心して練習するといい」と言った。


 ランチが終わり、2人はメアリーの家を出発した。

 メアリーが「これから、ブロッケン山に行く。どうやって行くか分かるかい?」とニッコリ笑いながら聞いた。

「分からない、馬車か何かかしら?」とリリアナ。

「馬車だと3時間以上かかる。今日は特別じゃ。私につかまって!離すんじゃないよ! ルーラ!!」とメアリーが言った。

 メアリーに抱きつくと、いきなり辺りの葉っぱや木屑、土が渦のように舞い始めた。


 2人は渦の中に囲まれて、そのまま一気にもの凄い圧力とスピードで飛ばされた。


 何なの!これ!

 絶対、メアリーから離れたら死んじゃう。とリリアナは思った。


 5秒くらいは経ったのだろうか。一瞬にも思えたが、静かになって足がふわりと地面に着いたので目を開けた。

 そこは、深い森の中だった。「着いたよ。ここが、目的地、ブロッケンの森じゃ」とメアリーは言った。

 周りには木々が繁り、薄暗い森の中。

「どうやってここまで来たの?飛んだの?飛ばされた感じだったけど」と興奮気味にリリアナは言った。

「これが、移動魔法の一つでルーラと言うんだよ。来た事がある場所に一瞬で瞬間移動出来る魔法だよ。」メアリーは言った。

 目を輝かせながら「凄すぎだわ!メアリー」とリリアナ。

 メアリーは、「お前も、日本からゴスラーまではおそらく無意識にこの魔法を使ったのじゃ。魔法と言うのは使いたい時に使えるように、コントロールするのが難しいのじゃ」と言った。


 リリアナとメアリーが着いた場所ははサッカーコートくらいは広く、小さな丘があった。


 メアリーは言った。「ここなら、飛行練習にはもってこいだろう。

 まず、ホウキを手で持ち、またがってみなさい」

「はい」とリリアナ。


「またがったら体がふわりと浮くイメージを何度も浮かべる。そして、集中しながらホウキに力を込めてごらん」とメアリー。

 リリアナは、言われた通りに真剣な眼差しでやっている。

 ホウキよ、浮いて!と念じながら。

 しかし、どれだけ念じてもホウキはピクリとも動かない。

 諦めないわ……!リリアナは何度も念じた。


 始めてから1時間くらい経過した頃、ついに、体がふわ~っと浮かびあがってきた!


 メアリーはリリアナが練習している間に、

 魔法の基本を教える材料を集めていた。


 リリアナが「メアリー!体が浮いたの、見て!」

 と叫んだので急いで戻ってきた。

「凄いじゃないか、こんな短時間で浮遊するとは

 さすが私の孫じゃ。

 そのまま集中力を一気に高めてごらん、上に上がるイメージを持ちながら。

 きっと、飛べるはずじゃ。


 真っ直ぐ飛ぶのが難しいから飛べたら気持ちを落ち着けるんだよ」

 とメアリーは嬉しそうに言った。


 リリアナは言われた通りイメージしながら集中力を高めた。上がれ上がれ!!


 その瞬間、ブワーッと風が舞い上がり、一気に3mくらい浮上した。

 そのあとクルクル回転しそうになりながらも

 どうにか真っ直ぐ体勢を整えた。

 やった!出来た。飛べたんだ!


 リリアナは嬉しくて泣きそうになった。しかし、ホッとした瞬間、集中力がきれ、みるみるうちに地面に落下してしまった。

「恐い……! キャァ……!!」

 ドスン!!と転がりながら落ちた。

 メアリーが駆け寄ってきた。

「大丈夫かい?リリアナ!!」

 幸いゆっくり落下したため擦り傷程度で済んでいた。

「あっ……痛っ」と言いながらも満足そうな顔をしながら、「メアリー、飛べたわ。嬉しいわ!」

 と、リリアナは言った。メアリーは

「足を擦りむいているな。これで治しておいてあげるよ」と言うと、リリアナの足に手をかざして、呪文を唱えた。「ヒール」

 金色の光にぼんやりと包まれた。温かい感じがした。

 すると傷がみるみる治り痛みも全く感じなくなった。

「凄いわ、ありがとう!メアリー」


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