表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法使いの森  作者: 小野小町
4/12

パン屋の手伝い

 リリアナは珍しく一人で目を覚ました。

 体も楽になっている。風邪は治ったかな。

 リリアナは寝間着姿のままである。


 う〜ん、なんだかお婆ちゃんに会った夢をみたような。

 バーバラのリリアナを起こす声がそろそろするはずだ。起きなきゃ。又怒られちゃう…


 寝惚けたまま、まだ横になっていると、


 プルルル…プルルル…と電子音が。

 私のスマホ、鞄の中だわ。

 何?お母さん?

 着信は母バーバラだった。

「もしもし?どうしたの」

 バーバラは焦った声で続けざまに話してきた。

「どうしたのじゃないわ。今どこにいるの?

 大丈夫なの?」

 リリアナは何の事か分からない。


 え?ここどこ?

 耳を澄ますと、鐘の音が、窓を見るとそこには

 昨日みた外国の田舎街の風景が目に入ってきた。

 牛乳売りやらパン屋が忙しくしている。


 ここは……ゴスラーだ。

 どうなってるの。夢じゃなかったの。

 混乱しながら、バーバラに昨日、気がついたらゴスラーに来ており、祖母メアリーに偶然会い、メアリーの家にいる事を話した。

「分かったわ、メアリーに代わってもらえる?」

 バーバラはあり得ない話なのに、取り乱す事なく、メアリーと電話で話をしていた。

 何を話したかは分からなかった。


 電話が終わると、メアリーがパン屋を手伝うように言ってきた。昼までで今日は店を閉めて、連れて行きたいとこがあると。


「リリアナ、お前には話さないといけない事があるんだ。

 でもね、リリアナ。

 お前に会えて嬉しくて仕方なかった。こんな嬉しいことはないよ。長生きするもんだね」

 リリアナは話さないといけない事が何か、気になって仕方なかったが、

「さあ、リリアナ。その前に仕事をしないとね

 手伝っておくれ」メアリーが忙しく動き始めた。


 パンの作り方をメアリーに教わりながら、こねたり、成形したり、焼いたり、店頭に並べたり、お客に売ったり、大忙し。

 常連客達はリリアナを見て可愛いお嬢さんだなと

 誰もが言った。メアリーはその度に孫なんだ。と自慢した。

 笑い声に包まれて、いつもの古びたパン屋に活気が蘇る。リリアナは幸せな気もちになっていた。

 そして、

 パン屋の手伝いをしているうちに、気になってた事も忘れかけていた。

 気がつくと、

 12時の鐘の音がゴスラーの街に鳴り響く。

「これで今日は閉めさせてもらうよ。孫とデートなんだ」張り紙も店の扉に貼った。


「さあ、リリアナ、お前も寝間着ではおかしいから、服を買いに行こう。そして、連れて行きたいとこがあるから、そこで、話をするよ。いいね? 」とゆっくりと言った。

「分かったわ、メアリー」

 リリアナは何か秘密があるのだろう…そうに違いない……と、

 ドキドキしてきた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ