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魔法使いの森  作者: 小野小町
11/12

初陣

 頭上辺りが一面「カッ」と明るく光った。

 瞬く間に、辺りは炎に包まれた。厳つい顔をした大型の1体の火竜が現れた。

 悲鳴を上げ、逃げ惑う人々。屋台にある食べ物や品物が散乱し、泣き出す子供達。

 リリアナは呆然として、立ちつくしていた。

 キリーは腰を抜かしている。

 ハッと我に帰ったリリアナはキリーの手を引き、逃げるわよ!と言った。

 ふと目をやると、火に囲まれて取り残された小さな3歳くらいの女の子が泣いている。

 お母さんらしき人も子供の名前を泣いて叫んでいるが、どうしようもないようだ。

「リリアナ?どうする気?」

 キリーが話かける間もなく、リリアナはホウキに乗って女の子を助けに向かった。

 リリアナが炎を越えて近づこうとすると炎は高く燃え上がり、塞いでしまう。どうやら、動く物に反応し追いかけるような魔法がかけられている。

 ……どうしたらいいのかしら……

 リリアナは考えた。……そうだわ、アクアを使おう。覚えたてだけど火を消すにはこれしかない……

 リリアナは飛ぶのをやめた。

 杖を握りしめ、「アクア!」と叫んだ。

 リリアナのアクアで炎に消火器から吹き出したくらいの水量の水が炎にかかる。焼け石に水状態だ。それでもリリアナは続けた。

 炎でリリアナも火傷をしていた。

 リリアナを助けなきゃ。腰を抜かしていたキリーも立ち上がる。


 その頃、酒場に向かったバートとトーマスは酒場で飲み始めており踊りの広場が騒がしいのには気づかない。

 キリーは仲間を呼ぶ笛をふいた。バート、トーマスを呼んだ。バート、トーマスは光輝く笛と甲高い笛の音に気づいた。

 すかさず吹き返す。すると、瞬時に二人はキリーの側に現れた。

 キリー!これは!バートが叫ぶ。「リリアナを助けなきゃ」とキリーは指差す。

 リリアナが懸命にアクアで炎を消そうとしている。その周りには火竜が。

 トーマスが「バート、俺達で火竜を倒そう」

 火竜を倒せば炎の魔力も消えるはずだ。

 そういうと、弓の名手、トーマスは火竜めがけて矢を放つ。光に包まれた矢が火竜に突き刺さる。悲鳴をあげ、バート、トーマスの方へ向かってきた。バートは大型の剣を2本背中から引きぬく。

 ジャンプしながら火竜に切りつける。火竜の横腹をかすめた。緑色の血が飛び散って苦しんでいる。

「なかなかやるじゃないか、バート」トーマスはバートに親指を立てて笑った。

「お前もな。だが敵さんはまだまだ倒れやしないみたいだぜ。さっさと殺るぞ!」

 火竜は炎を二人にはいて攻撃してくる。

 熱いな……。近づけない。弓でトーマスが攻撃、怯んだところをバートが切りつける。

 トーマスとバートが戦う間、キリーは回復魔法でリリアナの火傷を治した。ヒールをもう10回は使いフラフラしていた。

 リリアナはアクアを使い続け、眩暈と吐き気がしていた。倒れそうになりながら、必死にアクアを続けた。

 キリーがついに倒れてしまった。リリアナも限界が近づいていた。

 しかし、突然どこからか力が湧いてきた。

 リリアナのアクアが大波に変わり、炎を包みこむ。

 バートとトーマスも血だらけになりながら、火竜と戦い続けた。

 バートの二刀流が火竜の頭を切り裂く。トーマスの光の矢が何本も刺さる。

 火竜は地面に落下し、転がりながら苦しんでいたがそのうち、息絶えた。

 やったわ…。

 やったぜ!

 口々に言った。炎は消え、女の子を助けだした。

 キリーも目を覚ます。

「キリー、大丈夫?」リリアナはキリーに話かける。

「女の子は無事よ。火竜はバートとトーマスが倒したの」

「本当、あなたって凄い子ね。勇気があるし、覚えたての魔法で向かっていくなんて。私なんて腰が抜けてこの様なのに。」キリーは肩をすくめた。

「あなたの補助魔法がなかったら、助けれなかった。回復魔法に補助魔法。それに急に力が湧いたの。補助魔法かしら?」とリリアナ。

「私は気絶してたから…補助魔法はかけてないわ

 」とキリーは不思議そうに言った。

 頭上を大きな白フクロウが飛ぶのが見えた。









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