転生しました
やり残したことばかりの人生だった。
高校生に通って二年の春、俺は新学期が始まり学校に登校中に事故にあった。車に轢かれそうだった女の子を庇った結果、足の自由がきかなくなり、脳にも大きなダメージが残ってしまった。それからずっと病院生活を送り二十歳を迎えると同時に両親と兄と妹に見守られながら息を引き取った。
親孝行したかったな。もう一度人生やり直したかったな。
「おぎゃーおぎゃー」
(ん?あれ、ここはどこだ?)
「奥様、無事に産まれましたよ!元気な男の子です」
「はぁー、私の赤ちゃん」
「でかしたぞメアリア!よーし、今日からおまえの名前はアイル・サーベルだ!」
(こ、これは、まさか転生ってやつ⁈名前的に日本ではないな、なら外国のどこかかな?)
_そうだ、君は転生したんだ_
(え、誰?それに今、転生って)
_私は神様だ。君は不運な事故にあってしまったから君の願い通りもう一度人生をやり直せるようにしたのだ。第二の人生思う存分楽しんでくれたまえ。ではさらばだ_
(いや、ちょっと待って!まだ聞きたいことがあるんだけど.....あの神様言いたいことだけ言っていなくなったよ)
ー 五年後 ー
5歳になり、いろいろわかったことがある。まず、ここは日本でも外国でもなかった。ソルティス王国という国らしい、いわゆる異世界ってやつだ。さらにこの世界は魔法が存在するらしい。俺も何度かこの家の使用人たちが魔法を使ってるのを見たことがある。魔法なんて、漫画とかアニメの中だけだのものだと思ってたけど俺も魔法が使えるなんて、夢のようなだ。これから魔法をたくさん覚えよう。
「あら、アイル。おはよう。もう起きたのね、眠れなかったのかしら」
「おはようございます、お母様。いえ、ぐっすり眠れました」
「そう、それはよかったわ。なら、朝食にしましょうか」
「いえ、朝食の前にお父様にお話があるので、お父様のところへ行ってきます」
「わかったわ。私はリビングで待ってるわね」
「はい」
お父様とはこの屋敷の当主であるエガレス・サーベルである。どうやら俺の家は貴族でしかも公爵家らしい。貴族なのは使用人がたくさんいるからそうかもとは思ってたけど、まさか公爵家だとは。
コンコンコン
「お父様、アイルです」
「ん、アイルか、入りなさい」
「失礼します」
「どうした、なにかあったのか?そろそろ朝食をと思っていたのだが」
「はい、実はお父様にお願いがあって来ました」
「お願い?なんだ言ってみなさい」
「僕に稽古をつけてください!」
「稽古⁈んー、いいだろう。稽古をつけてやる」
「ほんとですか!ありがとうございます!」
「して、なんの稽古をつけたいんだ?魔法か?」
「剣術です」
「剣術か、魔法じゃなくてもいいのか?おまえは魔法を使いたがっていたじゃないか」
「魔法は本を読んで覚えるので大丈夫です」
(まぁ、もう使えるんだけどね)
実はこっそり家の中の本で魔法に関する本を読んで覚えたのである。
「そうか、わかった。では明日の朝から稽古開始だ」
「はい!よろしくお願いします!」
(魔法と剣術、大変だと思うけど絶対身につけてやる)