2話 とっさの判断コレ大事
次の相手は昼休憩に入った会社員だった。
「すまないね…全力で行かせて貰うよ…“無”“五重”“爆発”“遠隔”!」
有人を中心に正五角形状に爆発が起こる。
「“無”“五芒星”“誘爆”!」
爆発が一つの印となり、さらに大きな術と化す。中級以上の魔術師がよく使う手法だ。消費魔力も大幅に抑えられ、大変エコである。
「っガはッ…」
予想以上の威力、速さに防御を展開する暇もなかった。防御ゼロでの爆発はかなりの大ダメージである。
「“氷”“防具”!!」
やっとの所で防御を展開する。爆発での火傷もついでに治療する。
「フッ…そんな装備で大丈夫か?“無”“超新星爆発”!」
「チッ…反則技出しやがって…“氷”“五重”“大監獄”!」
有人は爆心を閉じ込めた。後はこの檻が持つかどうかだ。
しかし、その檻はいとも容易く崩された。が、それも計算済みだ。破壊された氷の破片が雨のように、否、滝のように降りかかる。
お互いが戦闘不能になり、引き分けとして終わった。
───ように見えた。お互い、見事に防ぎきった。会社員は全て吹き飛ばし、有人は固めて盾として再構築した。
「なかなかやるじゃないか!」
「無駄口を叩いていてもいいのか?食らえ!“氷”!“そびえ立つ氷柱”!」
「んなっ!?」
会社員の正中線を氷柱が穿つ。氷片を印となるように盾で弾いておいたのだ。最も、即興だったので自信はなかったのだが。
「クソ…やるじゃねぇかボウズ…!」
戦闘は終了し、アリーナに戻る。
しかし、そこでは異変が起こっていた。
今回はここまででございます()
次話をお楽しみに〜()