18話 振興電波塔ギャラクシーツリー
福岡県での大規模襲撃から2ヶ月、定期的に行われる魔物の巣窟、魔境や荒廃地などと呼ばれている土地へとギルドから調査隊が派遣される。今回は有人達であった。
有人達が派遣された地は天空の木…過去に電波塔の役割をした塔である。魔境では度々、有名な場所において迷宮、いわゆるダンジョンが生成される。その仕組みは分かっておらず、どのようなルートを通っても最後の部屋に入ると強制的に入口前へと送り返され、入口は消えてしまう。
今回のダンジョン、天空の木は階層踏破型で、フロアごとに現れる魔物を倒しつつ登っていくタイプだ。更にこのタイプは実力の底上げや魔法鍛錬に向いていると言われる。着いてみるまで分からないのがある意味ガチャ要素のようなもので、(一部の人々に)人気である。
レベルだけは扉の魔気反応からある程度推測されるので、考え得る最悪のレベル、つまり予想最高レベルに合わせてグループの組み合わせが編成される。
しかし、辿り着いたのは天空の木ではなかった。天空の木が破壊されてからありえない速度で造られた振興電波塔、銀河の木だった。何度天空の木に向かっても辿り着くのは銀河の木。この異常をギルドに報告したが、追加部隊を派遣するからそれまで中の探索をしてくれ、というものだった。
有人のパーティ全員のダンジョン探索経験は2回だけである。基本的には4パーティ1グループの編成である。その理由として、単独パーティだと索敵力、敵殲滅力、物資回収力が乏しくなるからだ。
さらに、ゲーム世界とは異なる点として、ダンジョン及び敵に初級中級など級の区分がない。つまり、いつでも一撃必殺級の攻撃が待っているのである。しかもそれは魔力のこもらない通常攻撃であったりする。
出てくる敵は───専ら豚人や鬼人だったりする。低階層だとこれくらいのものだ。しかし第三階層に進んだ瞬間だった。煇羅が合図を出した。4人とも足を止め、煇羅の索敵結果を聞く。
「敵は鬼牙が2体、魔鬼牙が3体、王鬼牙が1体。…行けるか?討伐しちまおうぜ!」
「いや、第三階層にこいつらがいるということは強化敵だろ?無理だな。」
「そうだよ煇羅くん!有人の言う通り、強い敵の可能性の方が高いよ!救援を待とう!」
「つーってもよ、どうすんだよ。俺の火炎で囲って行動制限したあとフルボッコじゃダメなのか?」
「ちょっと並木くん話聞いてた!?魔鬼牙もいるんだよ!そんなのすぐ消されるよ!」
連投です!20話か21話辺りまで!




