10話 魔法が効かないならば
真尋が負の魔力を喰った。一先ずは安心できる。しかし、油断はできない。まだ魔獣はいる。
とはいっても、この部隊には致命傷を与えられるものがいない。どれだけ攻撃しても効果は見られないからだ。
途方に暮れていると、背後から声がした。
「お前らァ!その背中に背負っているものは飾りかァ!?」
声の主は武具コレクターの通り名で有名なハンター、荒手 綱彦である。彼は魔力量が比較的少なく、戦闘には向いていない。だが、前線で活躍する。何故か。それは数多の武器を背負っているから。ただそれだけだ。種類だけでなく、属性も多く揃えている。
また、属性耐性は物理耐性に関係しない。故に無属性武器であれば属性効果に関係なくダメージを与えられる。しかし、属性がついている場合は軽減または増強されてしまう。物理耐性でも同じことが言えるのだが。
自然に対し、人間というものは人智で対応してきた。この状況も然り、ということだ。
各々は武器を構える。基本、1人2つ以上の武器を背負うことになっている。1つが使用不可になったときのために。
有人は日本刀、炎二はナイフを手に取る。真尋は対物狙撃銃を持つ。しかし、煇羅は武器を持たない。すべての距離において適性がなかったからだ。故に彼は戦う術がない。だが、武器に適正がない、つまりはその他に適性がある。否、適性値を振り切る何かがある。彼の場合、それは索敵であった。一般の人間は視界や、音の聞こえる範囲がそうであり、一般の魔術師ならば半径500メートル。彼は半径30キロメートルまで感知することが出来る。
彼はこのパーティにおいてレーダーの役割を果たす。そして的確な指示を出すリーダーでもある。
「右舷に多数の敵性反応!総数約25匹!」
25匹。それは比較的多い数である。普段は平均して10匹程の集団で行動する。
背の高い魔獣を真尋が正確に撃ち抜いていく。そして有人と炎二が背の低い魔獣を斬り進んでいく。硬い獲物はそのまま放置、真尋がしっかりとトドメを刺してくれる。
しかし流石に敵が多すぎる。倒すのに時間がかかりすぎる。よくある瞬間に何匹もの敵を倒す、あんな絵空事は不可能なのだ。いくら身体強化をしようが、所詮は人間。無理に動くと関節は外れ、急激な加速によるGで内臓は潰れてしまう。数ヶ月前に馬鹿がリミッター外して自滅したのが初だったのだが。
「後方に5匹!…1体は変異種!」
やっと更新出来た…
PSO2にハマりすぎて投稿忘れてましたテヘペロ(๑><๑)♪
一応この回は#コンパ〇でメグメ〇実装時には書き上がってました、はい。
すいませんでしたorz




