9話 闇を喰らふ者
このふたつの部隊には光、闇、氷(水)、炎(火)、風しかいない。その他の属性が試せない、と諦めたちょうどその時、別の敵性生物を追いかけていた部隊と出会う。
「“草”“鞭”」
空を裂いて強靭な一撃が海馬へと刺さる。技の主はこの辺りではかなり有名なハンター、マシュー=グラムスだ。彼は海馬を両断し、元の獲物を追い掛ける。
海馬は絶命の瞬間、多大な魔力を解き放った。その魔力の塊は運悪く有人へ向かう。避けきれずに被弾する。負の魔力に吸い込まれる。
(あぁなんて俺は不運なんだろうか。)
そう思い、有人は諦めかけていた。しかし、突然その魔力の塊は消えた。有人の負の魔力となったのだ。それはとてもまずいことでもあった。負の魔力を体内に摂取してしまったものは精神汚染されやすくなる。
つまり、負の魔気を帯びている者ほど操られやすいのだ。
負の魔力、魔気は負の事象──死、病気、事故や怪我などの悲しみを帯びたもの──により作られる。悲哀の度合いや嫉妬、執着によって作られる確率は変わる。度合いが強ければ強いほど作られ、重ね合わさることでより発生しやすくなる。普段使用されているものはこれらに対し、正の魔力と呼ばれている。
しかし、負の魔力に耐性を持っている者もいる。“とても大きなネガティブ要素、つまりデメリットになる効果があるスキルを保持しているもの”だ。
あらゆるスキルはクラス分けされており、E-からE、E+、D-…AA++…SS+となっている。有人の悪運はクラスAA--、悪いには悪いのだがとても悪い訳では無い、中途半端なものである。
つまり、負の魔力の影響が出る確率は半々なのである。
精神汚染を受けたものはどうなるか…答えは単純だ。魔獣と化すのみである。意識が強いものは魔獣のなり損ない若しくは魔獣使いとなる。
いや、魔獣と化すというのは少し語弊があるのやもしれない。確かに、最終的には魔獣となる。そこまでは魔獣“に取り憑かれる”のだ。この点、真尋のあの状況は魔獣化の一歩手間であったと言っても過言ではなかったのだ。
負の魔力は自身の魔力を全て使い切ることによって消滅する。故に有人は全魔力を使い切ろうとした。
「“氷”“雪中佇みし氷の城”!」
しかし、なかなか使い切ることが出来ない。
「“闇”“血液”“生贄”“闇喰い”」
有人の負の魔力を真尋が──喰らった。
引越し準備とかで忙しい…ストックなくなりそうww
にもかかわらずぐぐたすで書いてた小説もどきのリライトも書いてます!
1話出来たら投稿します!




