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血を侵漬させ字を綴る  作者: 清水遥華
7/8

終幕

 ダーマーは疲労のあまり3日間家で寝込んだ。しかし、起きるとすぐにジェフリーのことを考えた。


「ジェフリーは今どんな様子だろうか。どうなっているだろうか」


ダーマーはバッグの中を漁って昔、ジェフリーが書いた小説を読んだ。


主人公の名前はロックストック。

彼は純情で暑い男だったが、様々な災厄と災難が彼に襲いかかる。


You vs the world.


良い作品だ。ダーマーは静かにそう呟いた。

ダーマーはその後、作家活動を休止し、ロックストックに改名して刑事になった。


ジェフリーに会ったのは、暫くしてからだった。彼に会った時、ダーマーはすぐにこう思った。


「狂気に満ちている」


と。





 最後の、私の描写はジェフリーの証言ではない。私、ロックストック自身の証言だ。

これで私はジェフリーが何をしていたのか知ることができた。


彼は完全にソニーに乗っ取られ、人肉以外では生活できない身体になっている。私の事情聴取を終えて間も無く、彼は警察に捕まった。そういえば、郊外で若い女性が内臓を食い散らされて死んでいたらしいが、これも彼の仕業だったのだろうか。聞いておけばよかった。


彼は警察の拘束されている途中に逃亡し、未だ行方不明である。


私としてはかなりの成果をあげることができた。小説で人をどこまで壊せるか、どこまで再構築できるか。私もまだまだ学ぶべきことが沢山ある。暫くは身を隠し、この事件を題材にした小説を書こうと思っている。


ひとつ気がかりなのが、私の小説が消えたのだ。おそらくジェフリーが持っていたと思うのだが、拘束される時に警察の手に渡ったのかもしれない。


今後、誰かが「ソニー」を読まないよう私は願っている。


なぜなら、「ソニー」は、小説で人を壊せるか否かを確かめるためだけに作ったものだからだ。



私はペンを握り、字を連ねる。


本能がそうしろと言っているのだから、

そうするしかないだろう?


さて、だらだらとした落書きはここまでにして、私は趣味に耽るとしよう。


       ニコライ・ダーマー

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