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血を侵漬させ字を綴る  作者: 清水遥華
1/8

プロローグ

 これは刑事であるロックストックが記したものである。彼は1992年6月から行方不明となっており、暖炉からは焼かれた書記が見つかった。幸い、損傷は少なく、警察は書記の修復を試みた。以下は、修復された、ロックストックによる書記の内容である。また、損傷した箇所に書かれていた人名は英字で補っている。



 1987年にベストセラーとなった小説「You vs the world」。私は、この小説を読んだことがあるのだが、私が唸るほど素晴らしいものであった。しかし、私ロックストックは、最悪な形で著者であるジェフリー・デュマガリエフと対面することとなる。


 ちなみに、私は彼を見るのは初めてではない。黒髪で清潔さがあり、知的な顔つきは、女性からの評価が高く、メディアにも多く出演している。しかし私が直で彼を見た感想はこの一言しかなかった。



「狂気で満ちている」


小指が欠けているのが印象的だった。

それは?と私が尋ねると。癖です。っと彼ははにかんだ。私には理解できない癖をもっているようだ。


私が見ているのは別人ではないか?私と彼は木製の椅子に座り、長机を挟んで話をしていた。その「話」というのも、私の職業を考えてくださればわかるように、取調べに近いものであった。


彼はなぜ取調べを受けているのか。それは私にもよくわからない。彼曰く、「ソニー」という小説を読んで以来、人が変わったらしい。そんな小説聞いたことないが。メディアの前での彼はスマートで、礼儀正しく、大人の男であった。それが、私の前にいる男は、どこか子供染みていて、髪も乱れ、終始苦笑いをしていた。口調も荒くなったように思える。



それと取調べをしていることとは関係あるのかという疑問が残るだろう。何も彼だけを取調べしていた訳ではない。近頃、この街周辺で行方不明者が相次ぐという奇妙な事件が起こっていたのだ。


そのことについて、行方不明者と近しい間柄の人間に事情聴取をしていた。その事情聴取も、彼で最後となったが。


 ここからは、彼、ジェフリー・デュマガリエフが私に話したことを、ボイスレコーダーをもとに記す。そして情景については、私が稚拙な文章で補うとしよう。





※この作品はフィクションです

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