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3話「悲しきデート」

「あの、一つお願いがあるんですけど・・・」



俺が皿洗いを手伝い終えて休憩しているとヨナさんが遠慮がちにこちらに話しかけてきた。

何やら話しにくい内容のようだ


「レンの誕生日がそろそろなんです。今までは、私,

実は外に出られない病気なので誕生日にプレゼントを買いに行けなかったし、一緒に行こうって誘ってもダメだったんです。

だから、あの・・・」


「なんですか?」


ヨナさんの言葉が尻切れトンボになっていく


「もしよかったら一緒にお買い物してくれませんか?」


「え、ほ、ほんとですか!?」


まさかとは思ったがそのまさかだった。

夢のような言葉に思わず声が裏返る。

こんな美少女とデートだと・・・


「やっぱり嫌ですよね。まだ出会ったばかりで、しかも体調も良くないのに・・・。 無理言ってごめんなさい」


「大丈夫です!行きましょう、俺がヨナさんを守ります!」


俺はヨナさんと出かけるのに必死でとんでもないことを口走ってしまった。

それと同時にヨナさんの顔がみるみる赤くなっていく


「ま、守ってもらうだなんてそんな・・・」


「別に気にしないでください。すいません、つい」


「でもうれしいです。ありがとうございます。それじゃあ着替えてきますね」


そういってヨナさんはニッコリ笑った

この世に天使がいるとすれば彼女のことだと俺は確信した

俺がそのまま何分か待っているとヨナさんがやってきた

まるでお忍びのハリウッドスターのような服装だ


「や、やっぱり変ですよね。念のためって思ったらこうなっちゃって・・・」


「別にいいですよ。身の安全が一番ですから」


恥ずかしそうなヨナさんにすかさずフォローを入れる。

もし、ヨナさんに何かあったら俺はレンに怒られるどころではないだろう。

俺はヨナさんの症状については何も知らない。


「もし何かあったら私が責任を取ります。だから、心配しないでください」


不安げな気持ちが顔に出ていたのかヨナさんがフォローを入れてくれた。

まだは安心できたわけではないが、今はヨナさんとの買い物を楽しもうと決意した。


「それじゃあ、行きましょうか」


「はい。準備OKです」


ヨナさんは手でOKサインを作った。

俺は最近家から出ていなかったがバイト探しで向かったおかげでデパートには早々にたどり着くことが出来た。

今日は平日であるためかそこまで人は多くなく、スムーズに歩くことができた。

横のヨナさんを見ると目を輝かせて商品を見ている。

とくに症状は出ていないようだった。


「う~ん。レンには何を買えばいいんだろう?」


ヨナさんはあごに手を当てて考えている

その姿はまるで子供のようだった


「レン君の好きなものとかを買うのはどうですか?」


「ああ、良い考えです!たしかレンの好きなものは・・・」


ヨナさんはその発想は無かったといった顔で手を叩いた

そしてどこかの売り場へと歩いていく

俺も慌ててその後をつけていく


「あ、あった!これで・・・」


ヨナさんが商品を手に取ろうとした瞬間、照明が一気に落ちた

それと同時に爆音が響き地がゆれる

叫び声が方々から聞こえる

俺は呆然と立ちすくむヨナさんの手を握り引き寄せた


「地震が起きました。スタッフの誘導にしたがって避難してください。くりかえしま」


避難を促す放送が突如途切れる


「いったいなんなーーーーーーー!?」


避難経路に逃れようとすると大きな音と共に天井が落ちてきていた

とっさにヨナさんを庇ったが時すでに遅し

背中に激痛が襲うのと同時に俺は意識を失った


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