~プロローグ~ホームレスの仲間入り
こんにちはレインです
ゆっくり更新していくので見てくれるとうれしいです
「ここもだめか・・・」
求人広告にバツをつけてトボトボ歩く俺、赤石和也はつい数日前まで楽しいニート生活を送っており、これからも送り続けるはずだった。
しかし、現実はそう甘くもなく自宅警備員にとっての天敵、母親によって家から放り出されてしまったのだ。
バイトを始めるまで家に帰ってくるなという過酷な条件を出された俺は、求人広告を手に店を回ったが、受け入れてくれる店は無かったのであった。
空は赤く染まりつつあり、もう今日はどこも相手にしてくれないだろう。
「俺、何やってんだろ・・・」
小学生時代の将来の夢は姫を守るナイトになること。
そのころやっていたゲームに出てくるキャラに憧れ、恥ずかしげも無くそんなことを言っていた。
そんな小学生時代は友達も多くクラスでもそれなりの地位にいた。
しかし、中学生時代にネットゲームと出会ってしまってから人生が変わった。
どこにいてもそのゲームの事ばかり考え、学校生活を疎かにしてしまったのだ。
そんな俺から段々と友達は消えていき、気づけば友達といえるのはネット内の人々のみになっていた。
母親の忠告も聞く耳を持たず、高校から本気出すなどとのたまっていた
何とか高校に入学することには成功したものの、衰えたコミュニケーション能力では友達を作れるはずも無く、クラスでは浮いた存在になっていた。
しかも、俺の事を唯一理解し、支えてくれた父さんが死んだ。
父さんは釣りの名人で、小学生のころはよくつりに連れて行ってもらったのを覚えている。
俺がネットゲームにはまっていた時も怒る母親をなだめてくれた。
そんな父さんを亡くしてから程なくして俺は引きこもることになった。
結局俺は姫を守るナイトではなく、自室を守る警備員になったのだ。
行く当てもなくなった俺は今日の宿泊場所を探すことにした。
もちろん俺にはホテルに泊まるお金もないし、泊めてくれる友達もいないから目指すのは公園だ。
公園に辿り着いた俺は近くのベンチに腰を下ろした。
夕暮れに染まる公園は普段ならリア充や子供達が多くいるのだが今日は少年が一人いるのみだった。
今日はこのベンチが寝床になるかな・・・
まあ一日ぐらい構わない
俺はなけなしの金を使ってコンビニ弁当を買うことにした
「なんだ?立ちくらみか・・・?」
コンビニに行こうと立ち上がったとき突然頭がクラクラし、立っていられなくなった。
目の前の世界がグルグルと回り、足元からは平衡感覚が無くなっていく。
支えの無くなった体は倒れ、俺は意識を失った。