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俺の妹がこんな黒魔女な訳がない

作者: 鈴神楽
掲載日:2012/12/23

タイトルは、有名のラノベをパロって居ますが、あれとは、全くかんけいありません。

「なあ、モモよ、俺の事を紹介してくれよ」

 休み時間、教室で休んでいるとダチの犬尾イヌオが詰め寄ってくる。

「お前は、ロリコンか? 中学生のガキに何発情してやがる」

紅炉クロちゃんと付き合えるんだったら、ロリコンでも構わない!」

 熱弁する犬尾の頭に拳骨を入れてやる。

 隣から笑い声が聞こえてくる。

「あらあら、そんなに妹さんが可愛いのかしら?」

 人畜無害、大和撫子、そんな形容詞が良く似合うとされている犬尾と同じクラスメイトであり、家が隣の幼馴染、鶴手ツルテの発言に半眼になる俺。

「解っていっているだろう?」

 微笑む鶴手。

「ええ、桃が極度のシスコンで、妹に合わせたく無いからって小学生の頃から家には、誰も入れた事が無いって事は、重々知っているわ」

「そうか、僕が家に呼ばれないのは、そうだったのか。別に僕が嫌われているわけじゃないんだ」

 目を輝かせるのは、男子の制服が似合わない猿頭サルガシラ

「断っておくが、俺は、普段着でスカートを穿く奴とは、クラスメイト以上の関係には、なりたくないぞ」

「ち、違うんだ! 家には、男物の服が無くって仕方なくなんだよ!」

 必死に弁明する猿頭。

「そうよ、それに凄く似合ってるから良いじゃない」

 鶴手がフォローすると周りのクラスメイト達まで同意する。

「何で俺の周りには、こんな変わった奴しか居ないんだ?」

「ははは、それをお前が言うか? 知ってるんだぞ、夜な夜な町を徘徊して妖しげな行動をとっているって事は!」

 犬尾の指摘に舌打する。

「お前には、関係ないだろう。だいたいあれは……」

 思わず口にしそうになったが、あんな事を言える訳が無い。

「お兄ちゃん! おべんとう、忘れてたでしょ」

 そう教室の入り口から声がかけられた。

 クラス中がざわめく。

「あー、紅炉ちゃんだ!」

 顔を蕩けさせる犬尾だけでは、無かった。

 苦々しい顔をする俺に鶴手が苦笑する。

「仕方ないわよ、中高一貫のこの学校で妹にしたいナンバーワンの女の子なんだから。可愛く、勉強も出来て、優しい。今だって貴方が忘れたお弁当を届けてくれた良い妹じゃない」

「業と忘れたんだよ」

 小声で呟く俺だったが、受け取りに行かないわけには、行かなかった。

「ありがとよ」

「あちきが作ったんだから全部食べてね」

 満面の笑顔でそういってくる妹に俺は、戦慄する。

「今日は、部活があるから待っててね」

 手を振って中等部に戻っていく妹、席に戻った俺に犬尾が財布を手によってくる。

「その弁当を売ってくれ!」

「絶対に駄目だ」

 即答する俺に血の涙を流さんばかり犬尾が言う。

「なんでだ! お前は、いつでも食べれるんだろう!」

「そうよ、おじさんの海外赴任に付き合っておばさんも居ないんだから家事全般は、紅炉ちゃんがやってるんでしょ?」

 鶴手の言葉に俺は、視線を逸らす。

「……別に関係ないだろう」

「リア充、爆発しろ!」

 犬尾が叫ぶのを俺は、無視する。



 放課後、俺が妹が所属(?)している筈の文芸部の部室に向う。

「あれを食べさせられたって事は、またトラブルだな」

「遅い! 何時まで待たせるつもり?」

 睨んでくる妹に俺が溜め息を吐く。

「今度は、何をやらかしたんだ?」

 妹が遠い目をする。

「サンタクロースって夢があってステキよね。子供達は、その訪れを待っていると思ったのよ。だから呼んだの」

 突き出された本のページを見て俺が怒鳴る。

「どこうをどうしたらサタンになるんだ!」

「アナグラムって奴よ。でも大丈夫、こっちもちゃんと願いを叶えてくれるから」

 本気で言っていそうな妹に俺は、拳を震わせる。

「お前は、いつもいつもそうだ。大体、前世って何だ! お前は、俺の妹の紅炉なんだぞ!」

 妹が妖しげな表情を浮かべる。

「現世では、そうね。でも前世では、あちきは、闇の世界を統一する寸前までいった大魔女なのよ。その力は、転生した今でも失われて無いわ。それともあんたは、あちきの力を信じないの?」

 正直、全てが妹の妄想だったらと思いたいがそうも言っていられない。

「お前に人と違った力の知識があるのは、認める。だがな、だからっていってお前が起こした問題の後始末を何で俺がやる事になるんだ!」

「妹のフォローするのがお兄ちゃんのお仕事だって皆言っているわよ」

 満面の笑顔で人前意外では、こんな時でないとしないお兄ちゃん扱いに俺が頭痛を覚えるが、あまり現実から逃げている訳にもいかない。

「それでそのサタンがどうしたんだ?」

「それが、サンタって願いを叶えても何の代償無しなのね? 普通に魂を捧げる物だと思ってたのよね」

 妹の答えに俺は、嫌過ぎる予感を覚えた。

「おい、まさか、そのサタンって願いを叶えると魂を奪うのか?」

「当然じゃない。ただで願いが叶うわけないじゃない。何を言ってるの?」

 買い物をするのにお金が必要な事を確認された様な顔をする妹に憤りを感じるがそれ所じゃなかった。

「それでそのサタンは、どうした?」

「子供達の願いを叶えに行かせた」

 濁り一つ無い妹の顔に自分の拳をめりこませたらさぞ気分が良いんだろう。

「今は、どこだ!」

 妹がワンピースのログポーズみたいな物を差し出す。

「これが指す方向に居るはずよ」

 俺は、それを奪って駆け出すのであった。



「ねえ、あたしのお願い聞いてくれるの?」

 いたいけな少女が、それ相手に願い事を言おうとしていた。

『ああ、叶えてやるとも』

 赤い鼻のトナカイの頭の化け物がおぞましい顔を見せる。

「だったら、お母さんの病気を治して下さい!」

 希望を籠めて願いを告げる少女。

『良いだろう。お前の願いを叶えてや……』

 言い終わる前に俺の拳が化け物、サタンを吹き飛ばす。

「止めやがれ!」

「あーサンタさんが! お兄ちゃん酷い!」

 涙目で睨んでくる少女に俺は、溜め息を吐く。

「お嬢ちゃん、あれは、サンタじゃないんだよ。ほら赤い服を着てないだろう?」

 サタンをじっくりみて少女が言う。

「でも赤い鼻のトナカイだよ? きっと後でサンタさんに願い事を伝えてくれるんだよ」

「えーと、サンタさんには、俺かお願い事を伝えておくから、もう家に戻るんだ」

 俺がそう促す。

「本当に? お母さんの病気、治る?」

「治る。だから帰るんだ」

 心配そうにする少女を半ば強引に帰らせる。

『邪魔をしおって! たかが人間の分際でこのサタンに勝てると思うな!』

 おぞましい気配が広がってくる。

「はぁー、どうしてこんなクリスマスにも近いって言うのに、俺は、何をやってるんだろう」

 落胆する俺にサタンがその前足を突き出す。

 俺が避けると後ろに止めたあった車が吹き飛び、炎上する。

『避けよって! しかし、いつまで避けてられると思うな!』

 再び迫ってくる蹄を俺は、拳で受け止めた。

『ば、馬鹿な、非力な人間にそんな真似が出来るわけがない!』

「だろうな、でもな俺は、竜の血で作った弁当を食べたんだよ」

 そう、昼に妹が持ってきたのは、あいつが作った魔法食なのだ。

「だいたい、普段、魔法の研究だって家事の一つもしないあいつが弁当を作ってた時点でおかしいと思ったんだよ」

『竜の血を飲もうと人間程度に負ける我では、無い!』

 サタンが吐く毒々しい息を吸いながら俺が言う。

「ああ、これって常人だったら即死クラスの毒なんだろうな」

『何故、平然としている?』

 困惑するサタンに俺がやるせない気分で答える。

「何故って普段からやば過ぎる薬の実験台にされてるからだよ。それじゃ、終わりにするぜ」

 俺の蹴りがサタンの体をまっぷたつにするのであった。



「退院、おめでとう」

 クリスマスの夜、あの少女が嬉しそうに母親を家に迎え入れる。

「どう?」

 ドヤ顔をする妹の頭を撫でながら俺が言う。

「お前の薬も極々稀に役にたつ事もあるんだな」

「あちきの薬は、何時も完璧よ」

 胸を張る妹に俺が過去の惨状を思い出すのであった。

「ところで、クッキーを焼いたんだ」

 可愛いラッピングされたクッキーを差し出してくる妹に俺が半眼になる。

「今度は、何をした?」

「今度のは、間違いなく願いを叶えてくれるわよ、無償で!」

 満面の笑みを浮かべる妹を前に俺は、顔が引きつるのを自覚する。

「それで?」

「でもね不思議と他人を貶める願いを持つ人間の所にしかいかないのよね。なぜかしら?」

 妹の言葉に俺が怒鳴る。

「何度も何度も手間をかけさせるなよ!」

 俺は、妹の戦闘能力強化用のクッキーを頬張りながらトラブル解決に向うのであった。

タイトルは、有名なラノベをパロりました。

続きませんって言うか、連載物の元ネタでこれがシリーズ化したのが自分のサイトにある告白の証文って事になります。

今回は、クリスマスも近いのでサンタネタとしてあげました。

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