邂逅編/キャラメイク
ゲームに入ってどのくらい時間が経った?
…ここは何処?真っ白な空間。壁も床もない。かといって落ちてる感じも浮いている感じもない?どうなっているんだ?
「シックス・ディメンションへようこそ。」
無機質な声が聞こえる。しかし声の主は何処にもいない。
「ここは何処ですか?ここはシックス・ディメンションですよね?」
俺の言葉に声の主は答える。
「はい。ここはシックス・ディメンションの内部です。ゲームに入場する前にここでキャラクターメイクを行って頂きます。」
キャラメイクか…。俺の第二の人生のためにもぜひとも格好いいキャラメイクをしたい!
「キャラメイクではどんな要素を決められますか?注意点もあれば教えて頂きたいです。」
「キャラメイクではなりたい容姿を思い浮かべ頂ければ、好きな容姿になれます。クラス(職業)やスキルはプレイヤーの経験に基づいて候補が提示されますが、変更は可能です。自由度は高いので、理想のキャラメイクを行えると思います。」
「注意点としてはこの世界は現実世界と強くリンクしているため、性別と年齢は現実のものと固定になります。他のプレイヤーへのなりすましを防ぐため、既に存在するプレイヤーと酷似する容姿にはできません。」
現実世界と繋がっている以上、当然の注意事項だと感じる。注意に従ってキャラメイクを行おう。
「俺の経験から判断してどのようなスキルがありますか?」
正直に気になるところではある。悪くない人生とはいえ、特別な経験はほとんどない一般人だから不安はある。
「精査中……。」
「あなたのスキルは…
「連携」
「隠密」
「信用」
が提示されました。」
「あなたは他者に対して協力的な人ですね。ただ、多方面に良い顔をして八方美人になりやすそうです。」
そんなことまで分かるのか…?図星だ…。
それより隠密…?影が薄いってこと?それとも引き立て役ってことか?第二の人生では自分を出したいな。連携と信用はお客さんのことを考えて生きてきたからか?
「スキルの説明を求めます。」
「分かりました。連携は協力関係にいる他者と自身の能力を発揮しやすくできます。隠密は気配を察知されにくくなります。信用は文字通り相手からの信用を勝ち取りやすくするスキルです。このスキルはどんな人にも認識できます。」
信用を勝ち取って、仲間と連携…、これが俺の戦い方になるかもな。そして隠密は今は要らなそうだ。暗殺者を目指す予定はないし、他の戦闘系のスキルに変更してもらおう。
「スキルの提示と説明、ありがとうございます。隠密スキルの変更を求めます。」
「分かりました。それでは欲しいスキルを教えてください。存在するものでしたら上書きします。」
「槍みたいなスキルはありますか?」
「はい。槍の扱いが得意になる槍術があります。このスキルでよろしいですか?」
「お願いします。」
なんとなく距離を取れる武器が思い浮かんだが、きっとこれで良いだろう。
「お名前はどうしますか?現実世界のものを使いますか?」
名字を含めた本名は少し怖いかな。名前だけでいこう。
「名前が結翔だからそのままユイトでお願いします。」
「分かりました。ユイトさん。最後に理想の姿を思い浮かべてください。」
俺の理想の姿?あまり考えてこなかったな…黒い髪、青い瞳、スマートな肉体…。
身体が光に包まれ、姿が変わっていく。驚きを隠せない。
「凄い…!これが俺!?」
「素敵な姿になりましたね。キャラメイクは終了です。また姿を変えたいときは「エステ」にお立ち寄りください。」
「分かりました。」
「開始プレイヤーにはランダムで鉱石が付与されます。それらを売って装備を整えてください。これらは直接の通貨のやり取りが不安な人用のアイテムで、魔物を倒すと宝石などを落としますよ。」
「アイテムや装備品は念じるだけでリストで確認できますよ。直感的な操作ですね。」
「それではゲームスタートです。シックス・ディメンションをお楽しみください。健闘を祈ります。」
「分かりました。キャラメイクとご説明ありがとうございました!行ってきます!」
生まれ変わった姿で俺の第二の人生はここから始まる!




