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第五話 下町

王城を追い出されてから。

「あの……これからどうしましょうか……?」

ユメが不安そうに言う。それもそのはず、私達はみすぼらしい服を着たまま王城に入り、10万ゴールドという大金を1人ずつ貰った挙げ句に、王城を追い出されたのだ。私が悩んでいると、

「そういえば、この服のままだと弱いから、洋服とか、武器とか買いに行かね?」

と、雪が答えてくれた。

「確かに、そうですね! 私達がこのままの格好でうろついてると色々と勘違いされても困りますもんね!」

というので、私達は膳は急げと急いで洋服やさんに向かった。

洋服屋さんに着くともちろん店主の方に変な目で見られた。それもそのはず。ボロボロな服を着てお金が無さそうにしている子供が何故こんな高級服屋に来たのか。店主は子供だし、貧しそうだ、という偏見から真面目に対応しなくていいだろうと思ったのだろう。

「いらっしゃっせー」

とだけ、言うと店の奥に消えていってしまった。

「困りましたね。服を買わないといけないのに……」

「まぁまぁ、取り敢えず、自分のサイズに合う服を選ぼ」

私達は、気を取り直して服を選ぶことにした。

私達が選び終わって、レジに行くと店主はいたが、まともに相手をしてくれなかった。ユメがこそっと

「どうしますか? アイさん……?」

「仕方がない……」

「すみませ〜ん!!(大声)」

「あぁ?」

店主はこちらを見るとまるでいたのかと言うようにこちらを睨む。

「お会計お願いします!」

私達は買い物カゴをバーンと机に叩きつけるようにして置くと店主はビビりながら、

「全部で3万ゴールドだなぁ? 1人1万ゴールドも払えんのかぁ?」

「えぇ、払えますよ」

私達は店主に1万ゴールドずつ出すと、店主は目を丸くした。

「お前等なにもんだぁ?」

何者……と聞かれたらなんと応えればいいものか。私は必死に頭を捻り、思いついたのは、

「この世を旅するものですよ」

「へぇ。ジョークの1つは言えるんだな」

と、鼻で笑われてしまった。感じの悪い店主をよそに、私達は服屋を後にした。

下宿させてもらっている古着屋への帰り道、ボソッと雪が言った。

「なぁなぁ、俺達って魔力あったじゃん? 魔物とか倒すなら武器が必要じゃない?」

その言葉にハッとした。確かにそうだ。私のような非力女子が今更拳で勝てるだろうか。結論はもちろん不可能。なので武器を買いに行く必要がある。

「そうだね、今から買いに行くか!」

そういうと3人は近くの武器屋へ向かった。


「いらっしゃいませ~」

ここの武器屋はしっかり店主さんが対応してくれた。そう判断すると私は、

「すみません、私達武器を探しに来たんですけど……」

とだけ言うと

「了解了解〜。ちなみにみんなの属性は何?」

「えっと……この間図ってもらったんですけど、剣士、錬金術師、魔法使いが向いてると言われました」

「オッケー。皆が使えそうなものはここらへんかな……

剣士の嬢ちゃんにはこの剣がいいんじゃないかな?」

と言って差し出したのは、女児用の短剣……ではなく、男性用の剣だった。あえて口に出さなかったものの、店主さんは雪が男子であることを感じたのだろう。雪が物怖じせずに対応したことから、特に問題は起きなかった。ユメに渡されたのはシルバーに輝く指輪に、水色の石が埋め込まれているやつだった。私のは、かなり大きな杖だった。持ち運べるのか不安になるほどの。

「魔法使いの嬢ちゃん。杖は大きいんだけど、魔力登録すれば亜空間からの出し入れが可能だから安心して。」

と言われた。

ここは満場一致で、

「「「買います!」」」

と言った。

「了解〜1つにつき5000ゴールドね〜」

私達は5000ゴールドを払うと、店主さんが

「魔法使いと錬金術師の嬢ちゃん。使い方分からないだろうから、別料金かかるけど、魔導書と錬金術の書買ってく?」

と聞かれたので、勿論買うことにした。流石に使い方がわからないのは怖い。

「買います。」

「りょうか〜い。追加で3000ゴールドね〜」

私達がピッタリ払うと商品を渡してくれた。

「また来てね〜」

と見えなくなるぐらいまでずっと店の表に出て手を振ってくれた。

「優しい人だったね」

と、私がつぶやくと

「この世界には優しい人もいるんですね」

とユメが返事してくれた。


「なぁ……最近俺等何も食べてなくないか?」

雪の発言でハッとした。いくらゲームの中だといえど、空腹感はあった。

「だったら俺が買ってくるから、二人は先に帰ってて」

「「了解!」」

家につくと、私達は今日買ったものを広げた。

「アイさん、早く着替えませんか? 帰ってきた雪さんが入れなくなってしまいます」

「確かに、そうだったね。早く着替えよう!」

というと、私達は買った服に着替え始めた。

私の服は戦闘用にも向いてるワンピース。半袖で、スカートは短め。その分、なかなか破れにくいニーハイソックスを買った。そしてその上に、この世界で2番目に強い皮で作ったコート。靴は、ちょっとヒールがある靴にした。

ユメの服は、私と同じ戦闘用にも向いてるワンピース。

他にも、ユメは買った錬金術用の指輪をはめて錬金術の書を読んだり、私は杖の魔力登録をして、魔導書を読んだりしていた。


「ただいま〜」

と、雪が帰ってきた。

「二人に渡したいものがある。」

と言われ差し出された紙袋を開けると、中には指輪が入っていた。ユメの方には髪をとめるようのバレッタが入っていた。

「これどうしたの……?」

と聞くと雪は顔をそらしながら

「べ、別に買ってきたくて買っただけだし///」

といった。

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