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第三話 意外な告白

とうとう、3グループに分かれての探索が始まった。私のチーム愛月桜&夢奈&雪は3グループの中で唯一女子だけのチームだ。正直、男子はよくわからない人ばかっりだし、結構恐いなって思うことが多い。ところでこれからどうしようかな……と思う。私がこの中で最年長(?)だし。

「あ、あのさ……これからどうする?」

二人に聞くと雪ちゃんは応えてくれなかったが夢奈ちゃんが

「と、とりあえず……サバイバルゲームでよくあるような資材を集めましょうかっ!」

確かに、サバイバルゲームだということを忘れていた。

「じゃあ、私達が担当してる方向でなにか良い物資がないか探しに行こうか!」

私が二人に呼びかけると夢奈ちゃんが大きく頷いた。振り返って進もうとしたとき、視界の端で雪ちゃんが小さく頷いたのが見えた。


数十分後〜

何分ぐらい歩いただろうか?

「あ、愛月桜さん! 村……?的なやつが見えましたよ!」

「ホントだね! 早く行こ!」

村を見つけた安心感により、皆の足取りが軽くなってきていた。村は塀のような壁で覆われていて一つだけ村と外が繋がる門がある。

「も、もしかして……怖い兵士さんのところ通らなきゃですか………?」

門のところには二人の兵士っぽい人がいる。

「そうみたいだね…取り敢えず入れるか聞いてみるかね」

門の前まで着くと、

「すみません、入れますかね……?」

私が恐る恐る聞いてみると、兵士は私達の頭から爪先までジロジロと睨むと仕方が無さそうに門を開けてくれた。

「ありがとうございます!」

私が深くお辞儀をすると、兵士は少し驚いたような顔をしてすぐに冷静な顔に戻っていた。

「き、気を取り直して……村に入ろっか……」

「そうですね……」

せっかく村に来たというのに、皆の顔色は暗くなってしまった。

村は思ったよりも沢山の人がいた。特に私達と違うと言うなら身だしなみだ。良い悪いに関係なく、向こうの人たちは髪色が鮮やかで、なおかつ服がぼろぼろだ。夢奈ちゃんが

「私達……結構目立ってしまってますね…」

夢奈ちゃんが言う通り私達は黒髪に黒目であり、服は向こうの人からしたらきらびやかだ。多くの人から変な目で見られてしまっている。

「服を変えたほうがいいかも」

私達は、服を買うことができそうな店を探すことにした。


「あ! ここじゃないですか!?」

夢奈ちゃんが声を荒げて言う。目の前には洋服のイラストが描かれた吊り下げられた看板。

「夢奈ちゃん! 多分ここだよ! 早く入ろう!」

私は二人を急かして急いで店内に入る。

「いらっしゃいませ~」

店の奥の方で三〜四十代ほどの女性が出迎えてくれた。

「なにかお探しのものはありますか?」

と優しく聞かれたので

「私達の服を探しています」

と私が代表して答えた。

「なるほど、皆さんの格好だと目立ちますもんね。」

「あの……つかぬことをお聞きしますが、あなたはなんで私達の事を変な目で見ないんですか?」

私が恐る恐る聞くと、

「ふふふ、もう何十年前のことかなぁ。この国に、魔物が大量に襲って来たんだ。そのときにねぇ、娘が魔物に喰われてしまったんだよ」

「なんか……辛いことを思い出させてしまいすみません」

「いえいえ、いいのよ。それより早く服を選びましょうよお嬢様方の身長だと…ここらへんがあうと思いますよ。ちなみに、下着はあちらにありますよ」

「ご丁寧にありがとうございます」


私達は店主の方にお礼を言うと、服を探し始めた。

「このワンピース可愛いですね!」

「夢奈ちゃん、多分だけど、私達……魔物とか、敵とか倒さないといけないと思うの…これから。だから、ズボンとかの方が良いかもしれない」

「確かに! 盲点でした! 考え直さなくちゃ……」


悩むこと数十分〜

「皆決まった?」

「はい、決まりました!」

夢奈ちゃんは元気よく答え、雪ちゃんはあとからこちらに着いてきてたので全員の服選びが終わった。

「じゃあ、全部で150ゴールドになります」

「お、お金、、、!? ちょっと待ってくださいね……」

お金なんて持っているのかわからない。私がストレージの中をくまなく探すと、

「あ、あった!!」

私はストレージの端っこに巾着で包まれたものを発見した。名称が"50ゴールド"なので三人で50ゴールドずつ出せば足りるだろう。全財産を使ってしまうだろうけど。

私達は、お金を払うと見世を出ようとした。

「あなた達、お金もないだろうし、着替える場所もないだろうから、私の家に泊まっていきな」

「いいんですか!?」

夢奈ちゃんがキラキラ笑顔で振り向く。

「あぁ、問題ないよ。ちょうど1つ部屋が余ってるからね」

「ありがとうございます!!」

「じゃあ、案内するからついてきな」

といって、店主は店の奥に進み始めた。

店の奥は店主の家になっているようで、廊下をずっと進んだ右にある部屋を借りた。

「なんかあったら遠慮なくいいな。ちなみにこっちがトイレだから」

というと、店の方に戻っていった。私達は洋服を持ちながらそっとドアを開ける。中はベッドが2つと机が1つという簡素な部屋だった。私達の暮らしからすればかなり簡素に感じるだろうけど、ここらへんを歩いてる人たちの身なりから考えるとかなりそれでも裕福な方なんだろう。

3人は恐る恐る机に服を置くとその場に座り込んだ。

「疲れましたね……今日一日だけでいろんなことがありましたから……」

「だよね…あ、早く買った服に着替えよ!」

「そうですね! せっかく買いましたし…」

私達が買った服に着替えようとしたとき、

「ちょっと待って」

「ゆ、雪ちゃん…どうしたの……?」

雪ちゃんが着替えるのを止めてきた。

「あのさ……ずっと黙ってたんだけど……」

「「うん」」

「俺、男なんだよね」

「「えぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」」

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