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閑話 ライアーの話。

ライアーの話についてです。

今日連れてこられてきた子たちへのゲームの説明が終わると、森の入口にある塔に帰ってきた。何年も前から使われてなかったような苔の生えた石レンガに、外に巻き付くわかめ色の蔦……むしろどうしてこんなところに住んでいるのか聞きたいところだ。まぁ、衣食住は保証されてるし。"衣食住だけは"の話。この塔には魔物が入れないような結界が張り巡らされているから魔物に関しての心配は全くと言っていいほどに無い。魔物に関しては、の話だが。どうせなにかすることもない。バレなければ寝てたって大丈夫。まぁ、一応監視しとかないとかな。ライアーは水晶玉を見ると今日連れてこられた子たちの姿が見える。『私の名前は〇〇××~〜』声だって聞こえる。塔の小さな窓から入ってくる日差しにウトウトしていると、いきなり怒号がとんできた。

『なんで平民なんかの言う事を〜〜!!』

あぁ、全く、ルール違反じゃないか。

「お仕置きお仕置き……どれがいいかなぁ?」

ライアーの手元には罰を選べる4つのボタンがある。左から順に

1……当事者が電流Ⅰを受ける。

2……当事者が電流Ⅱを受ける。

3……全員が電流を受ける。

4……当事者がヴァンパイアへと変化する。

という項目がある。

ただし、それぞれの罰には対処法がある。電流の罰は雷属性の剣を持っていれば、「電流の強さが半減する」もしくは、「時間が半減する」のどちらかがランダムで起きる。また、ヴァンパイアは5日間が経ってしまうと、完全なヴァンパイアとなり日の光に当たると燃え死んでしまう。だが、ヴァンパイアにも対処法はある。それは、闇市で販売されている"レアポーション"を飲むこと。その値段はおよそ5万ゴールド。1ゴールド=十円だ。3ゴールドで黒パン一個を買うことができる。そう考えると5万ゴールドはかなり高いと言える。一応ゲーム開始時の所持金として50ゴールド一人ずつに与えられている。それでも5万ゴールドはかなり遠い道のりだ。

「まぁ、最初だし♪1番でいっか! ぽちっとな!」

ライアーが"1"と書かれたボタンを押すと水晶玉の中の一人の女の子が苦しみ始めた。

「悪いことするからねぇ。そんな子にはお仕置きさ」

と水晶玉の女の子を見ていたとき後ろの扉が勢い良く開いた。ライアーはハッとして椅子から飛び降り、扉の方に向かって跪いた。

『Liar。お前はちゃんと仕事をしているな?』

「は、はい!もちろんですとも。"ゲームマスター様"」

『そうか。ならいい。また、同じようなヘマをしたらどうなるか、わかってるよなぁ?」

といって手元に握っている、ボタンをチラつかせる。

「は、はい!わかっています!なのでどうかそれだけはそれだけは!」

『惨めなドブネズミだな、次はもっと改良してもいいかもな』

"改良"というのがボタンに対することなのか、それともライアーに対してなのか、はたまた両方なのか……ライアーには検討もつかなかった。

『改良を楽しみにしてろ。楽しみだ。引き続き努力することだな。君の成果を楽しみにしている』

「はい……誠心誠意頑張ります」

ゲームマスターはそれだけを言い残すと扉の向こうに消えていった。安堵したライアーについさっきまであった眠気は何処かへ飛んでいってしまった。再び椅子に座り、水晶玉の中を覗き込んだ。そんなライアーの首、手首、足首には輪っかがついていた。

いかがでしたか?感想や、こんなのもお願いしたいというのがあればぜひお願いしますm(_ _)m

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