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デビルさん  作者: おかき
第一話
14/83

古武道 大豪院流合気道術−6


 リンダ襲来である


 一人娘の椿がハイスクールを卒業し、日本にやってきて暮らし始める

 久しぶりの娘との暮らしを時空は喜んだ


 10歳まで日本にいた椿は、8年使ってなかった日本語にも、かろうじて苦労はしない


 そしてフォーリンラブ


 門弟であった目隠 鮪と、なにをどうしたらそうなるのか恋に落ち、すぐさまご懐妊

 一悶着ありながらも、鮪氏を正式に大豪院家の婿に迎える

 そして、孫可愛さに、リンダがアメリカからやってきたのである


 kill meされては敵わないと、ついに時空は動き始めた

 大豪院流合気道術を世間に広め、せめて暮らしを安定させるために、手品を習った時以来の、血の滲む様な努力をする


 だらしのない生活にピリオドをうち、町内会の会合に顔を出し、近所の消防団にも積極的に参加

 寒い夜にはこたつで丸くなり、真夏の夜には、スタイリッシュでキレのある盆ダンスを披露

 そして、公園で太極拳に勤しむジジババ相手に、産まれたての孫をダシに使っての懐柔策

 果てには、夕方、生中継のお天気ニュースの後ろで、門下生募集中の横断幕を掲げたりしたのである




「基本、アホやねん

 せやけど、ジジイに教え込まれた大豪院流は強い

 そんなウチが、背中切られるまで気づきもせんとか、陸上選手から逃げ切るとか、よう考えたらおかしいねん

 それに、本気で蹴ったんやで

 首、千切ったろ思て

 それをあいつは肩で受けおった

 ほんまに素人なら、普通でけへん」

 首千切るとか、恐ろしいことを平然と言う咲だったが、ありえそうだな…とカナタには思えた


「バトルジャンキーだな」


「んなことない

 ウチは可愛い白鳥さんやで」


「でも、危ないことしちゃダメよ、咲ちゃん

 そろそろ帰ろ」

 お腹がすいてきたチェリーに促されて、家路につく3人


 こいつが制服で通う理由は、自分が獲物になるつもりなんだな、と思うカナタ

 でもこの広い日本で、2回同じ被害に遭うことはないだろうな、とも思えた




 若いカナタはまだ知らない


 可能性とは、無限に広がり、常にゼロになることはない


 時に、天使と悪魔の両方が囁き、そこには善と悪の境界線などは存在しない


 そして


 それは


 当然、カナタとチェリーにも同様に言えるのだと言うことを

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