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デビルさん  作者: おかき
第一話
12/83

古武道 大豪院流合気道術−4


 あれ?みんな黒人さんや…


 移民船の貨物庫に潜り込み、海を渡った時空

 アメリカだと思って踏み出した大地は、ブラジルだった


 そう

 中学校しか出ておらず、基本ノープランな時空は、馬鹿だった

 一緒に渡ブラジルした日本人に、半年お世話になり、少しの言語を学ぶ


 …ポルトガル語を


 野性味溢れる時空は、手にしたアメリカ大陸の地図だけを頼りに、徒歩で北へ向かう

 太陽を背にさえしていれば、いつかはアメリカだと信じ、一歩、また一歩


 …ここは南半球だった


 マチュピチュに辿り着いた時空は、ようやく事の重大さに気づき、少し泣く

 小さなジャパニーズに優しくしてくれた天空の部族に別れを告げ、今度こそアメリカへ


 不法入国もなんのその

 いくつもの国境を越えるうちに、さらにたくましくなっていく時空

 1年をかけてアメリカへ入った時空は、またしても戸惑いを覚える


 言葉がわからん…


 英語だと思っていたポルトガル語が通じず、なんとか食い扶持を探しながらアメリカで暮らし始めた

 この頃のことを、のちに時空はこう語る


「なんのためにアメリカに行ったのか、全く忘れていた」と

 生きていくことが、いかに大変かを物語る一言だ


 金の匂いを頼りに流れ着いた、眠らない街、ラスベガス

 ここで時空は少し痛い目にあう


 英語にもアメリカでの暮らしにも慣れ、少し調子に乗っていた時空は、わずかな金を持って、酒場でポーカーに挑んだ


 結果は惨敗

 2メートルを超す大男との真剣勝負

 相手の表情が読めた時空は、全財産をかける

 しかし、体重70キロしかない、マッチ棒のような、クリーニング店勤務のボビーの手札はクイーンのフォーカード


「イカサマや!」

 日本語で叫んだところでもう遅い

 しかも証拠もない

 時空の全財産は遥か2メートルの巨人の手の中に


「oh!」

 ボビーがすっとんきょうな声をあげた時には、2メートルの体が宙に舞っていた


 《兎ばらし》

 俗に、空気投げとも呼ばれる類の技

 彦兵衛が編み出した、相手の体に触れることなく投げる、大豪院流の技である


 酒場での乱闘騒ぎ

 当然、ポリスがテッポウ持って登場

 いち早く逃げ出した時空は、無一文な上にお尋ね者となってしまう


 華やかな世界の闇

 きらびやかな光のあるところには、当然、影も伸びる

 酒場で一部始終を見ていたマフィアに拾われた時空は、ボビーのイカサマは、テーブルマジックの一種だと聞かされる

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