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元軍人の俺は最強のFPS系配信者として再び戦場で無双する  作者: ゆずけんてぃ
伝説の始まり
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運命のマッチング

過去回導入です。最後にちょっとだけ猫宮さんの視点も入ります。

テンポよく、尚且つ説明を上手く交えられるように成田い……

「よしよしよしよし行ける行ける。……OK!ナイス。エイム冴えてるよ」

誰も居ないのにも関わらず俺は延々と独り言をこぼしながら戦場を駆け抜ける。

傍から見たら気持ち悪いのかもしれないが、没頭しすぎている為どうか許してほしい。


「はいはいはい、隙だらけだよっと」

キーボードとマウスを巧みに操作しながら最後の敵プレイヤーに向かって銃を撃つ。

放たれた弾丸は寸分の狂いもなく相手の頭を打ち抜いた。


その瞬間、画面にでかでかと表示されるKINGという文字。

言うまでも無いだろう。これこそが勝者の証だ。

大きくガッツポーズをして喜びを表す。

「よっしゃ!これで100連勝目!」




美咲に別れを告げられてから一週間後、俺はすっかりFPSゲームにのめり込んでいた。

寝ても覚めてもパソコンにかじりつく毎日。飯を食う時間すら惜しんでやり込む程だ。


何故FPSなのかと聞かれたら……何となく。

たまたま調べてる内に目に入ったからとしか言えない。



多分何でも良かったんだ。


心の底から酔っぱらえて、溺れて、ただひたすらそれだけに傾倒できるのなら。

胸の内に抱えた空虚な感覚を、ほんの少しでも埋めることができるのなら。


酒でも、タバコでも、ギャンブルでも。


何でもいい。とにかく何かに依存したかった。

依存しなきゃやってられなかった。


その中で俺が選んだのがたまたまゲームだったというだけの話である。




現在国を問わず人々を熱狂させている人気FPSゲーム【ネオ コロシアム】。



人気の理由は何と言っても基本プレイが無料でできるという点。

対応する機械さえあればそれだけで始められてしまうのだ。


加えてプレイヤーが極めて多い為深夜だろうが早朝だろうが一瞬でマッチング可能。

始まるまでの時間にストレスを感じなくて済むのは本当に嬉しい。


更にモードも多彩。


1vs1、小細工無しの真剣勝負【デスマッチ】


ランダムに選ばれたユーザー同士でペアを組み、最大16人の中で勝者を決める【ペアマッチ】


3人以上で予め小隊を形成して時間内までのポイント獲得を目的とした【オールサバイバル】



他にも様々なものがあるが、代表的なのはこの3つだろう。



この中でも俺が特にハマっているのはペアマッチだ。

何と言っても仲間と組んで勝利を目指すという形式は少年漫画的に言うなら王道で、非常に魅力的だと思う。


「さーて、次はどんな人と当たるかな」

ロード画面を前にして心を躍らせる。

歴戦の猛者か、中級者か、はたまた初心者か。

正に敵も味方も十人十色。どんな人間と当たるか分からないのが醍醐味の一つだ。



そしてこのマッチでの俺のペアは……色んな意味で想像を遥かに凌駕していた。



「こんにゃちはー!お名前は……えっとぉ、kakitaさんでいいのかにゃ?」

「……!?」


パソコンから聞こえてくるのは、角砂糖を何十個もぶち込んだコーヒーの如く甘ったるい萌え声。


予期していない衝撃に思わず苦笑いを浮かべてしまう。

最近女性ユーザーも増加傾向と言う話は聞くが……さすがにこういうタイプは対応に困るな。


何だ……?この、人の脳味噌を溶かすためだけに生まれたような声は。



少し悩んだ後に、俺はボイスチャットの欄をオフからオンに変更する。

一先ず挨拶は返しておいた方がいいだろう。最低限のマナーとして。


ぎこちない声音で彼女と対話を試みる。

「どうも、kakitaです……猫宮さん?で合ってますよね。こちらこそよろしくお願いします」


画面の左下にある名前欄を読みながら挨拶を行う。

そこには【猫宮 Vチューバ― (配信)】と記されていた。



ぶいちゅーばー、うんうん知ってる。アレだろ?

何か……バーチャルがどうたらで配信がこうたらで、今めっちゃ流行だって言うあの……



はい、正直全然分かってないです。



つくづく10年の内に行われた時代の変化や発展には驚かされる。


例えば俺が知る中で、笑いを表すネット用語は専ら『www』だったんだが。

今やほとんどの人間が『草』という一文字で済ませている。


ジェネレーションギャップをひしひしと感じる毎日だ。




「はい~Vtuberの猫宮 又旅(ねこみや またたび)と言います。ってさすがに知ってるよね?」


「……えっとすいません。初耳ですね、普通に」


ぶいちゅーばーが何なのかすらろくに理解していないんだ。個人の認識など以ての外。

ありのままの真実を伝えると猫宮さんはひと際声を大きく上げる。


「えぇ~嘘ぉ~!私の事知らない人まだネコ界隈に居たんだぁ」


補足しておくとネコとは【ネオ コロシアム】を略した呼び名だ。


界隈にまだ知らない人居たの?ってそんなに有名なプレイヤーなのか?

まぁ確かにめちゃくちゃ個性的ではあるが。


生憎プレイ期間が浅い俺にとっては周知の事実ではないのだ。


「すいません。まだネコ始めて一週間しか経ってないんで」



「……ふぇ?今一週間って言った?」

「?はい、一週間です」


「…………え?」

「ね、猫宮さん?どうかしました?」


突如として緩い空気で話を進めてきた猫宮さんの声が止まる。 

ひょっとして何かまずい事を言ってしまったのだろうか?


焦る俺、そこに

「準備が完了しました。20秒後にペアマッチを開始します」



試合の開始を告げるゲーム内アナウンスが鳴り響き、画面が広大な廃墟地帯へと切り替わる。


それと同時に俺自身も気持ちを切り替えていく。

何はともあれ始まったのなら試合に集中せねばなるまい。


猫宮さんにも改めて挨拶を行っておくとしよう。

「始まりますよ!猫宮さん、よろしくお願いします!」

「え、あ、うん!よろしくね!」






相槌こそ打ったが、依然私の頭は混乱しつくしていた。

いや、聞き間違いじゃないよね?一週間?

そっと確認の為コメント欄を覗いてみる。


【猫宮ちゃん知らないことといいヤバすぎでしょこいつ】

【一週間は草】

【頑張ってください】

【いやもうちょいマシな嘘つけ】

【一週間はさすがに嘘松】

【猫宮ちゃんガンバ!】 \500


うん、安心した。やっぱり私の聴覚と価値観は正常だ。


自慢でも何でもなく純粋な事実として言わせてもらおう。

私はVtuber……いや、数千人規模の配信界隈全体の中でもトップクラスにFPSが上手い。


肩を並べられる人間なんて多く見積もってもその内の30人程度だろう。


そんな私ですらここまで来るのに3ヶ月を費やした。

普通の人間なら一年以上かかって当然の筈なんだ。



……仮に、このkakitaさんの言う事が仮に本当だとしたら。


「この人はたった一週間で最高ランク帯(アルティメット)まで来た……ってコト!?」

評価やブックマークをして頂けると大変励みになります。


柿田はこれまでランク等の概念を知らないまま勝ち進めてきました。


配信をテーマにしながらさすがに諸々の事情に浅学すぎた為改めて勉強してみようと思います。

ただそれでも所々不備は生まれると思うのでご都合主義があるのを念頭に入れてくださると有難いです。


……10年前(2011年)って草はそこまで浸透してない筈……ですよね?

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― 新着の感想 ―
[良い点] 流石、元軍人さん。 直接的ではないにせよ、上手い! FPSでこれなら、モン○ンや音ゲーとかも上手くいくのでは…? [一言] ある程度、ご都合主義でも大丈夫よ。
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