表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/19

9.影ー王子side

王子目線onlyです。

 マルティナに一日中絡まれた日、さすがに僕は我慢出来ず父である国王とマルティナの父である宰相と話をしていた。僕の母は同じ部屋には居なかったが間違いなく聞いていたと思う。何故かは後で説明する。


 今日の話をすると、宰相は何も知らなかったらしく、娘が申し訳ないとずっと謝っていた。宰相が手を引いたのではないらしい。しかしその態度に少し違和感を感じた。

 何と言っても、いまだにマルティナに婚約をさせていない親だ。学園の情報はサーラを始めとする侍女や、ストレーム家に仕える貴族の面々からすぐに入ってきているはずだ。

 僕は宰相の態度も疑問に思えたので王家の影を使い独自に調べることにした。父と母はそのことに気付いていたが何も言わなかった。僕が対処すべき問題だと判断しているようだ。


 そういえば、王家の影の話をしていなかった。突然そんな話になって驚いたかもしれないが、すでに一人知っているはずだ。僕の護衛であるローランだ。彼は影の一人である。レベッカはそのことを知らない。


 そもそも、本来であれば影を使うのは王妃なのだ。国王のサポートをするのが王妃の役目であり、仕事だ。だから直接、影を使うのは王妃だ。先ほど母は部屋には居ないが聞いていると言ったのはこのためだ。驚くほど早く正確に先ほどの話は母の元に届いているだろう。

 一応、国王も影のことは知っているが、何をしているのかまでは知らないようだ。指示は全て王妃が出すし、それこそ王妃の指示でいろいろな仕事を請け負うのが影の仕事だ。それこそ、何でもだ。過去、殺人までしたとかしなかったとか。実際、母がどんな仕事の内容を影に頼んでいるのか僕は知らない。知ろうとは思わない。知ってはいけないこともあるのだ。

 ただ、僕はレベッカにそんな仕事をさせたくなかった。裏を請け負うのは僕だけで良いと思った。それくらいレベッカのことを愛しているのだ。

 僕は汚れのないレベッカに癒されて、僕として生きているのだ。レベッカに影のことを教えるつもりはない。次期国王の仕事と少しばかりの王妃の仕事を覚えるのは大変だが、それでもレベッカのためならば頑張れる。


 そのレベッカを傷付けたマルティナを僕は許さない。


 出来うる限り詳細な情報を集めるべく、今、僕が持てる限りの力を使って入手する。早く、そして正確な情報を集める指示を影達に出すのであった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ