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15.1 千和幽雅の絡繰からの脱出

9月4日

――朱鷺森市 朱鷺森駅 PM13:00――


幽雅「ふう……お待たせさせてしまいましたか?少しお母様を説得するのに時間がかかってしまって」


このは「大丈夫ですよ~。ふふ、このはも今来たところですから」


幽雅「それはよかった。では、行きましょうか。デートプランというのを考えてきたんですよ」


このは「本当ですか!?それは楽しみです~、今日はよろしくお願いします」


――朱鷺森市 朱鷺森商店街 クレープショップ:葡萄 PM13:15――


幽雅「ここがいいらしいって聞いてきたんです。一緒に食べませんか?」


このは「そうなんですか?じゃあそうしましょ~」


幽雅「そうですね。このぶどうグレープクレープがオススメらしいですよ。クラスメイトの子が言ってました」


このは「そうですか、う~ん……じゃあそのオススメで。ゆーが君はどうするんですか?」


幽雅「そうですね……僕はどれがいいかとかはわからないので、このはさんが選んでいただけませんか?」


このは「えぇ!?いいですけど。う~ん、いっぱいあってどれも……う~ん」


幽雅「すいません。目移りしてしまって僕じゃずっと決められなさそうで」


このは「え~とじゃあ、みかんでいいですか?その、好きなんです~。ちょっとくれたら、なんて……」


幽雅「ええ、少しとは言わず全部食べさせてもいいんですけどね。――すいません。ぶどうグレープクレープとみかんトラブルクレープをお願いします」


▶しばらくして、クレープを受け取ります


幽雅「ありがとうございます。このはさん、どうぞ。こういうのを買ったのは初めてです」


このは「ありがとうございます~。初めてなんですか、いい思い出になってくれたらうれしいです~」


幽雅「あはは……。僕の意思で何かをするっていうことそのものが、僕にとって大事な思い出で、宝物だよ。――――さて、次に行きましょうか」


――朱鷺森市 秘密の場所 PM14:00――


幽雅「僕にとっての運命が変わった場所なんです。せっかく恋人なら逢瀬をしろと、奉さんに言われた時から絶対二人で来たいなと思ってまして」


このは「いい場所ですよね~。このはもここは好きです」


幽雅「ここで、あなたが、僕を変えてくれたんです。母様の木偶でしかなかった僕を少しだけ人間に戻してくれた。それだけでこのはさんは僕の一番大事な人なんです」


このは「このはは、そんなことしてないです。きっと心のどこかでゆーが君が変わりたいと思ってたからですよ~」


幽雅「そうだと……、うれしいですね。恩は返すものだとお母様に躾けられてきてるので、一生を賭してでもご恩は返したいと思います。ありがとうございます……」


このは「そ、そんなに重く捉えないでください!このははただ……ただ、ゆーが君が好きなんです」


幽雅「あはは……ありがとうございます。もっとそう言われるように頑張りたいですね。デート、というのはこういうのでいいんでしょうか」


このは「えっ?どうでしょう、きっと決まった正解のあるものじゃないので……でも、今日は楽しかったですよ」


幽雅「そうですか。――確か親愛を示すときは……、こうでしたね」


▶幽雅は正面からゆっくりと近づいて頬にキスします


幽雅「やっぱり女の子に抱きつくのは少し照れますね……。で、ではまた」


▶幽雅は顔を真っ赤にして、秘密の場所から逃げるように帰っていきました

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