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鍛冶と魔法

 防具として、皮鎧一式を買った。一万ポイントもかかったけど、長めの手甲や、脛あても揃っていた。

 金属製も考えたけど、重そうだし、高い。

 スキルでは念話が10、気配感知が20、錬金術が50。

 それと鑑定のスキルを手に入れる事にした。300ポイントだったけど、必要だと思った。

 そして、魔法スキルは全て手に入れた。風、闇、雷、氷、重力、結界、補助。何故か補助魔法だけが手に入れても何が出来るか分からなかったけど、レベルが足りないとかあるのかな?ハズレって事はないと思うけど。魔法スキルを全部買ったのは、運動神経に自信のない自分が、剣だけで戦うのは無理だと思ったし、精霊と契約しても魔法は覚えなきゃならないからだ。

 頭の防具はないけど、これって物もなかったし、結界魔法もあるから大丈夫かな?スキルは安いのに、道具類はどうしてこんなに高いんだろう。


 集落に行って、愕然とした。昨日蒔いた種がもう育っている事には驚いたけど、その畑が荒らされている。

「おはようございます、ミノリ様、ご無事で何よりです」

「おはようございます。これは一体何があったんですか?」

「魔物の仕業です。夕べ寝る前には随分と育っていて、これなら明日食べられるかと、我々も楽しみにしていたのですが」


 畑を見て回り、小さな足跡の他に、鳥の羽根も見つけた。

 壁を作っても、鳥の魔物は防げない。どうしよう?

 ミノリはスマホ画面とにらめっこする。

 あ、結界碑。これにしてみよう。

 500支払ってなるべく中央に建てる。高さ3メートル位の五角形のモニュメントを建てると、辺りが安心感に包まれた。

『貢献ポイント5000が加算されます』

 半径200メートル位。そこを過ぎると結界外のようだ。アクアに調べてもらったら、上は100メートル位。世界樹もすっぽり収まっている。

 判りやすいように、土魔法で土壁を作ってぐるりと囲んだ。

「カシムさん、多分これで範囲内に魔物は入ってこられないと思います」

「ありがとうございます。少しは収穫できたので、食べますか?」

 ミノリはトマトを一つ手に取った。

 鑑定 マトマ 成熟したマトマの実。

 トマトでいいじゃん! 他の野菜も鑑定してみると、バッタもんのように微妙に名前が違う。色が違うのもある。ナスは薄い紫色だし、ピーマンはビートンという名前で、青かった。

 種を買う時におかしいなと思ったのは、こういう事だったんだ。じゃあきっと、果実も似た感じなんだろうな。

 味は、多少酸味が強いけど、トマトの味だった。

 変なの。異世界だから?

 ドワーフらしきおじさんを見つけたので、話しかけた。

「あの、おじさんは鍛冶が出来るんですか?」

「ああ。道具と鉱石さえあればな。ひょっとして、魔法で出してくれるというのか?」

「はい。その代わり、料理道具や武器等を作って貰えますか?」

「任せとけ!」

「鍛冶小屋なので、建てるのはこの辺でいいですか?」

「おう!井戸にも近いし、最高の場所だな」

 ミノリは、鍛冶小屋セット200を買った。一瞬にして小屋が建った。

「ぬおおー!!」

 おじさんは興奮して中に駆け込む。棚には鉱石も少しずつ揃っていた。

 あれ?もしかして精霊?

「よお姉ちゃん、あんたが新しい主かい?」

(再生を担当しているから、そうだと思う。ミノリだよ。契約してくれるの?)

「いいぜ、俺はイフリートだ。よろしくな!」

(こちらこそ!)

『貢献ポイント5000と、契約ポイント1000が加算されます』

「おじさん!道具は揃ってる?」

「ああ、バッチリだ」

「あと鉄鉱石取って来たんですけど、どこに置きます?」

「有難い!俺の名前はガンボだ。ここに置いてくれ」

 ミノリは収納庫から、次々に鉄鉱石を取り出す。

「おいおい、凄い量だな。腕が鳴るぜ!」

「よっしゃ!炉に火を入れるぜ!」

(石炭とかも必要?)

「は?燃焼石があるから充分だぜ?なんだよ、石炭て」

(ううん、何でもないよ)

 村長のカシムさんが来た。

「おお、一瞬にして、凄いですな」

「何が必要とか、カシムさんが決めて下さい」

「そうだな。分かった」


 あと必要なのは、塩かな?人間が生きていく為には必要だよね。

「お姉さん、塩って今までどうしてました?」

「南の森に、岩塩の採れる岩場があったのですが、邪神が現れて以来、強い魔物が住み着いてしまい、備蓄分もなくなってしまいました」

「強い魔物…海はないんですか?」

「東の山を超えた先にありますけど…かなり遠いですよ?」

 うわ、究極の選択だ。

「そっちは強い魔物とかいますか?」

「済みません。分かりません」

 今朝は、集落をイメージして扉を開いたら、ダンジョンの近くではなく、ここに出られた。てことは、少しずつ距離を稼いでいけば、集落の様子を見ながら旅ができるって事だよね。どれ位強いか分からないけど、レベル7の私に勝てるか分からないから、海を目指してみようかな。

 とりあえず新しい種をまいて、水魔法で畑全体に水をやる。苗木にも忘れずに。随分と大きくなっている。明らかに成長速度おかしいよね?一日で一メートル位伸びて、幹も太くなっている。あと二日位で実がなるかも?

 種や苗木が特殊なのかな?それとも水魔法?世界樹のおかげ?…考えても分かる訳ない。畑の面積は集落の人が頑張ったのか、微妙に広がっている。

 これは嬉しい。私に任せきりになるのは違うと思うから。

 旅に出る前に、私と同じ位の歳の女の子に魔法を教えてみようと思った。赤い髪だし、トールの言う通りなら、火魔法を覚えられるかもしれない。

「マイラさん、魔法を覚えてみない?」

「え?私がですか?」

「火魔法が使えれば、料理の時に便利でしょ?」

「えっと…ミノリ様がそうおっしゃるなら」

「普通にしゃべってよ。同い年位でしょ?」

「ええっ?御使い様に普通になんて」

「そんな事言わないで、むしろ友達になってほしい」

「…それは嬉しいです。同じ位の子供がいなかったので」

「なら、私の事はミノリって呼んで?」

「はい…ミノリ」

「ん。マイラ、まず魔力って分かる?」

「いえ…ううん、分からない」

 ミノリはマイラの手を握り、魔力を流してみる。

「!わ、何?温かい…」

 今度は、逆から流してみる。

「これが魔力だよ。マイラの中にも魔力を感じるから、私に流してみて?…ほら、できたよ!」

「本当?私にも、魔法が使えるの?」

「火をイメージして、この枯草に火をつけてみて?」

「うー、イメージ…難しい」

「頑張って!燃えろー!とか、火よつけー!って感じ」

「火よつけー!燃えろー!」

 枯草に、小さな火が灯る。

「やったよマイラ!」

「これ…本当に私が?」

「そうだよ。マイラの魔法だよ」

「わ…!ありがとうミノリ!凄く嬉しいよ!」

『貢献ポイント500が加算されます』

 うまく教えられて良かった。


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