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世界樹とトール

 やりたい事は山積みだ。あのおじさんはドワーフかな?なら、かまどと鉄鉱石さえあれば武器が

作れる。鍋や包丁も必要だ。

 畑を作れば、種は買えるから、作物も作れる。あとは苗木かな?時間はかかるけど、果実もほしい。

 とりあえずは苗木かな?時間かかるしね。

 果物がいいんだけど…何で一種類しかないのかな?ポイントも1000も使う。

「ふぎゃ!」

 植えた途端、苗木はするすると大きく成長していく。

「これも魔法ですかな?凄いですね」

 いや、断じて違う。

 育った木の下には、葉っぱの服を着た女性がいた。

「ふ…う。やっと封印が解かれましたのね。可愛らしい方、お水を下さいな」

 水魔法で水をかけてあげたら、心なしか元気になった気がする。

「私はドライアド。あなたは?」

「ミノリ」

 極力喋らないようにしているけど、見られてるなー?

「よろしくお願いします。ミノリ様」

 頷いて、木魔法を買う。

 もう一度苗木の欄を見て見たら、めっちゃ増えていた。

 ドライアド限定セット?でも残念だな。実がならない木なんて。

「ミノリ様?この木は世界樹になります。葉は薬草として使えますわ」

「そうなんだ。凄いね」

『貢献ポイント100000が加算されます』

「うえっ?!」

「世界樹はこの世界にとって重要なので」

 そうなのか。

「錬金術で、万能薬が作れます」

 おお、万能薬。亜空間で作ってみよう。

 小枝を折って、収納庫に入れた。

 適当に何本か買って植えた。普通の果樹は、高くても100だった。

 次は畑かな?畝を作るイメージで、魔法を使う。うん。土魔法も上手になってきた。


「あの、先程から何かされているそれは?」

「んー…色々できる物、かな?」

「はあ…表面が黒い板が…ですか」

 へ?スマホ画面も見られないの?…手のひら大の板を一生懸命弄る女の子…痛い。

「わ、私にしか使えない魔法…みたいな物です」

「そ、そうですか」


 とりあえず種も色々買ってみたけど、季節とか平気なのかな?

 畝の半分ずつ植えて、確かめてみよう。

「季節って、今は春でいいんですか?」

「季節…?春、とは?」

 あれ?言葉が急に通じなくなった?それとも、季節って概念がないのかな?

「例えば、凄く寒い時期とかないんですか?逆に暑かったり」

「すごく…はないですな。ラビットの毛皮を羽織ればそれ程は。今はこうして、普通の格好で」

 気温の変化に乏しいって事かな?

 とりあえず水魔法で水を万遍なくまいて、様子を見るしかないな。

「あとは鉄鉱石さえあれば」

「それなら俺が分かるぜ」

「本当?どこ?」

「そう遠くない。着いてきな」

「ちょっと出かけてきますね!」

 ミノリはガイアを追って走った。


「こっちは戦いながらなんだから、勘弁してよ」

 精霊は、魔物にも認識されないようだ。

「んぎゃ、痛いー!」

 回復魔法を使うと、転んでできた傷がすうっと消えた。

「おいおい、何もない所で転ぶなよ」

「そこに出っ張りあるじゃん!」

「いや、そういう問題か?」

 うん。そういう問題。

 それからまたしばらく行くと、岩山に穴が空いていた。

「ここだけど…こりゃダンジョンになっているな」

「ダンジョンて、中には魔物が沢山いる?」

「そうだな。ミノリには危ないかもな?攻撃力のある精霊もいないしな。どうする?」

「鉄鉱石は深いの?」

「いや、そう離れちゃいないけど」

「なら、行く。やっぱり文明は鉄からだと思うから」

「なら、ミノリが採掘している間は、俺とドライアドで守ってやるよ。ツルハシの用意はいいか?」

「あ、そっか」

「おいおい、何しに来たんだよ」

 ツルハシを買って準備万端!

 中にいたのは…角のないウサギ?でも角ありより強い!

 倒すと、なめされた皮が出た。そういう感じのお話も読んだ事ある。肉だけ出たりもする。

 幸いにも採掘場所は、1階層のはじにあった。


 土壁に守られて、魔物はドライアドが蔓の鞭で弾いてくれる。つるはしを振るうと、黒くて重い石が沢山採れた。

「これ位あれば、いいかな?」

 すごく疲れたし、お腹も空いた。

 ダンジョンを出ると、辺りは暗くなっていた。


「うわー、もう夜か。今から戻るの嫌だな」

「ミノリは亜空間が使えるんだろ?なら今日はもう休めばいいじゃないか」

「だからそれが、村の向こうでしょう?」

「ミノリしゃま、亜空間は場所関係ないでしゅよ?」

「そうなの?…ドア、でた!」

 ミノリは亜空間に精霊達と入って行った。


「よう、お疲れ!」

「トール?」

「ここは元々僕の空間だから、こうして入る事も出来る。初日から随分と頑張ったね」

 トールが応接テーブルをコンと叩くと、美味しそうな料理が並んだ。

「わ…凄い!」

「どうぞ」

「いただきまーす!」

 どれもすごく美味しい!見たことない料理ばかりだけど。

「ずっと見てたの?トール」

「初日だからね。体も不具合はなさそうだね」

「へ?体?」

「だってその体、僕が作ったし」

「え…え!服を着せたのも?!スケベ変態!」

「ちょ、神に対して酷くない?」

「トールは神様っぽくない!」

 近所のお兄さんて感じなんだよね。

「えー?まあ、いいけどさ」

「トールが作ったのなら、運動神経良くしてくれても」

「それ無理。魂の記憶通りに作らないと、君じゃなくなっちゃうよ?」

「じゃあ、髪と目の色は?」

「属性って分かる?君は元々植物との相性がいい。目は、まあ、僕が作ったから多少はね」

「なるほど。あとさ、精霊達が他の人には見えないみたいで、私が痛い子になっているんだよね…」

「あー、見ていて面白かったよ。念話覚えればいいのに」

「うー、教えてくれればいいのに」

「その前に普通するだろう?スキルチェック。生存率に係わるんだから。あと君は、防具も買った方がいい」

「転ぶから?」

「いやさ、普通に。この辺はまだ魔物が弱い方だけど、今のままじゃあっさり死にそう」

「そうだね。ところでトールは自分の世界?があるんでしょ?私に構ってていいの?」

「あ、今ちょっと笑ったな?あの名前は、賭けに負けた罰ゲームなの。あと少しで改名出来るんだから、笑うな」

「いいんじゃない?トーラス ワールド」

「ちっ、まあ、こっちの世界は安定しているから、離れられるんだけどさ」

「何かさ、邪神が倒されてから随分経ってる感じなんだよね。もっと早くに助けられなかったの?」

「ああ、まあ面倒な決まりが色々あるのさ。普通は管理する神がいなかったら、消滅するしかないからさ。

 将来的には僕が面倒見る事にはなったんだけど、…それもあって多少は干渉出来るんだけどさ、煩い奴はどこにでもいるって話」

「もしかして、再生する人がいなかったら消滅してた?」

「君が途中で死んでもね。出来る限りの事をしたんだから、死ぬなよ?」

「せっかく生き返ったんだから、死なないよ」

 第2の人生、精一杯生きるもん。


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