スキルと精霊
扉から出たら、荒野が広がっていた。そこには水色の服を着て、20㎝位の羽根が生えたもろ妖精って感じの女の子と、耳の長いフェレットがいた。
「こんにちは、新しい主しゃまでしゅか?水の精霊のアクアともうしましゅ」
「俺は土の精霊ガイアだぜ。まずはあんたの魔力の質を見せてもらおうか」
「アクアには、水魔法を、かけて下しゃい」
いや、まずは魔力が分かんないけど。
「ごめんね、意味不明」
「アクア、こりゃ間違えたか?」
「そんなことないでしゅ。私たちが見えてるでしゅ」
そういえば、スマホに何かしたって言ってた。
電源を入れると、一番上の欄に、10000ポイントって書いてあり、説明、スキル、買い物カゴの
アイコンが並んでいる。あとはカレンダーと地図?
あ、メールアイコンが光った。
開くと、差出人はトールとなっている。
〈とりあえずはスキルで魔力操作と水魔法買って、契約して。
追伸 説明書位読んでから出て来いよ?〉
むかっ!こっちはスマホ初心者なんだから、見る習慣もないっての!
スキルアイコンを押したら、たくさんのスキルが並んでいた。一番上にあるマイクのアイコンを押すと、音声検索出来そうだ。これ位はググールとかで知ってるのさ。
「魔力操作、水魔法」
魔力操作が10、水魔法が50と出た。二つとも反転させて、決定!頭の中でピロリンと音がして、買えた?らしい。買ったらなんとなく使い方が分かった。
おなかの辺りに感じる暖かいものを右手に移動させて、ガイアに流しこむイメージ。
「いいぜ、あんたの名前は?」
「ミノリ」
「よし、契約成立だ」
次は、手から水が流れるのをイメージする。
「美味しいお水をありがとうなのでしゅ。ミノリしゃま、よろしくでしゅ」
『精霊と契約しました。一体につき、1000ポイント加算されます』
「ミノリ、忘れずに土魔法覚えろよ?」
言われた通りにした。ポイントは全部で11890ポイントになった。
とりあえずは説明書読もうかな?座って読もうかと、出てきたドアを探すけど、何もない!うそー!あの部屋、くれるんじゃなかったの?
説明書は、バルスにはかつてホトスという神がいた事。
長く平穏が続いたが、異世界から襲って来た邪神がバルスを襲い、それを食い止めようとしたホトスが消され、トーラスワールドから来た勇者の手により倒された事。
つまりは歴史かな?てか、トーラスワールドってトールの世界?ださ!
メールが届いた?トールかな?それしかいないけど。
〈ダサいとか思うなよ?それと扉はイメージでも開くけど、魔力感知を買えば見えるぞ。歴史よりも知るべきは現状!それと武器の一つもないと、死ぬからな。スキルも合わせて買う事を忘れるな〉
魔力感知は20ポイント。武器は、買い物アイコンかな?うはっ!また数が多い。武器で検索しても、凄い数。剣一つとっても木の棒から聖剣神剣魔剣の類まである。ポイントも凄いけど。
木の棒はさすがに嫌なので、1000ポイントで鉄の剣を買った。振ってみると、意外と軽い。鉄って重いよね?おかしいな?
とりあえずスキルかな?
開くと、一番上にオススメと書いてあるスキルがあった。収納庫 500 時間停止機能付き
ステータス確認 500 絶対買えよ!
え…。因みに片手剣スキルは、50だった。
収納庫は、ラノベでいう所のアイテムボックスかな?なら買おう。ステータス確認は、買うと負ける気がしたけど、一応買った。ああ…精霊ゲットのポイントが消えた。
「えっと…ステータスオープン?」
ミノリ(12)
人族
レベル 1
HP 100 MP 100(200) 力 31(500)
精神 210 敏捷 28(500) 幸運 17
特殊スキル 言語理解 経験値獲得2倍
自動回復 精霊視
アクティブスキル
魔力操作 水魔法 土魔法 収納庫 亜空間
パッシブスキル
魔力感知 農業 家事 片手剣
異世界神トーラスの加護
称号 転生者 バルスの救済者
契約精霊 アクア ガイア
スマホの画面いっぱいに、表示が切り替わった。
んー、MPの(200)は、精霊達によって増えた分らしい。500はトールの加護みたいだ。それと経験値獲得と自動回復も。言語理解は転生者だから。精霊視はバルスの救済者だからだな。
それにしても弱いな。とりあえずトール、加護をありがとう。無ければすぐ死にそう。
あとは食べ物かな?…って、苗木とか種?実る前に死んじゃうよ!
そういえば、滅ぼされかけたって事は、滅んではいないんだよね?
マップアイコンを押すと、まっすぐ南に町らしきものが見えた。
とりあえず行くしかないか。
前作の主人公に比べて弱すぎ?