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アイシクルと、北の町

 各町の畑の一面は、小麦を植える事にした。小麦なら、用途も多いし保存も利く。

 米とどっちにしようか迷ったけど、米は少し様子を見てからにする。

 ハーブも少しずつ育てて、今日の所はこの辺にしておく。

 少しずつ笑顔も見られるようになってきたし、成果は出ている。

 最初は私に否定的だった森の民達も、私に支配する意思がないのが分かったようで、行くと歓迎してくれるようになった。

 西の町は元々人口が多いので、人手も足りているから、発展も早い。

 みんなで役割分担を決めて、効率的に動けている。

 そろそろ違う町も探してみるべきだろう。ここから北に行った所にも町があるらしいのだが、山超えが必要と聞いた。

 また、山なのか。話によると魔の森にも集落があるらしいけど、強い魔物に囲まれて暮らせているんだったら後回しでも…ごめんなさい。魔物が怖いだけです。

 とりあえず山超えだ。

 指輪のおかげか、それともレベルが上がったおかげか、前回よりは体力的に楽だ。魔物はこっちの方が強いんだけどね。


 二日間かけてやっと頂上まで着いた。標高の高い山なので、かなり寒い。温度調節機能付きの上着を買って着ているけど、それでも寒い。

 突然、ごうっと吹雪が辺りを取り巻く。

「このような所に何用ですか?」

 現れたのは、綺麗な女性だ。氷の精霊?

「この山を超えれば町があると聞いて。あなたは精霊ですか?」

「私が見えるということは、あなたは只者ではありませんね?」

「私はミノリ。バルスの再生をトーラス神に頼まれたの」

「トーラス?ホトス様ではなく?」

「ホトス様は亡くなりました。トーラスは隣の世界の神様です」

「…そうですか…そんな気はしていました。ここ何年も、神の恩恵が感じられなかったので。私は氷の精霊アイシクル。せめてあなたの助けとなりましょう」

「ありがとう。よろしく、アイシクル」

 襲ってくる雪狼や、雪熊を魔法で倒してゆく。 

 アイシクルは強くて、戦闘がかなり楽になった。

 この魔物達の皮は素材として使えるというので、解体も頑張った。魔石も結構いいものなので、集めておこう。貰えるポイントもそれなりに高いので、魔物も強いのだろう。

 魔法はなるべく万遍なく使うようにしている。

 けど、契約している精霊がいる方が威力も強いし、魔法のレベルも上がりやすい気がする。

 確か説明書に書いてあった気がしたけど、寝ながら読んでいたからうろ覚えなんだよね。


 更に5日。やっと北の町に着いた。若干気温が低い気がするけど、気になる程じゃなく、町の人たちの格好も普通だ。もう初めから、再生の為に町を巡っている事を伝えた。西の町のような間違いはごめんだ。

 この町の人口は80人程で、西の町より若干少ない。とりあえずの結界碑と井戸と、畑。

「頑張っている所済まないが、この辺は植物が育たない。無駄だよ」

「この辺の土に含まれる成分が問題のようですね」

「じゃあ、肉だけですか?」

「いや、ここから更に北に一刻程歩くと海があるので、そこの海草を食べている。海の魔物も怖いが、我らもそこそこ戦えるのでな」

「ミノリ、早く光魔法を極めなさいよ。そうすれば新たに聖魔法を授けてあげられるわ。そこには土地を浄化する魔法もあるから」

(クリーンじゃだめなの?)

「だめよ」

(ミカルの力で何とかならない?)

「はあ…今回だけよ?この畑の範囲だけやってあげるけど、向こうから吹く風に、毒素が含まれているわ。その問題を解決するか、光魔法を極めなさいよ」

「可哀想に、呆然としてしまっている」

「魔法まで使って耕してくれたからのぉ」

 ち、違う!ミカルとお話してただけだから、哀れみの視線を向けないで。

「ここの西には、何かあるんですか?」

「荒れ地に毒の魔物が棲息している。奴は動かんが、何度か討伐しようと試みたが、返り討ちに遭ってしまった」

 うう、魔物か…。

「ミノリ様、まずは我ら精霊と契約して下さい。例えば雷の精霊なら、私以上の戦力になります」

(因みにどこにいるかは?)

「判るなら、とっくに教えているわよ。あとは闇と、原子の精霊がいるはずだけど」

(原子って…魔法はないよね?あとは意味不明の補助魔法だけだし)

「私達精霊の長のような存在だから、契約に応じてくれるかわからないけど、他の精霊と契約しないと、会ってもくれないかもね」

(シルフィ、補助魔法については何か知ってる?)

「自分の属性魔法以外はわからないわよ」

「大丈夫?気を落とさないで、この魔物を寄せつけない物を作ってくれただけ、私達は嬉しいから。それに井戸も」

「あ、いえ、落ち込んでいた訳ではなく…精霊と話を」

「精霊…幻の存在ね。気をしっかり持って!」

 あうう…余計に痛い子になってしまった。

「海があるので塩は大丈夫ですね。石鹸も?」

「泡立つ石なら、貝殻と海草で作っているわ」

 とりあえずいつまで畑が使えるか分からないけど、種を蒔く事にした。水を魔法でまいて何人かいた怪我人を光魔法で治す。とにかく魔法を極める為には、使うしかない。ハイヒールや、エリアヒール以上の魔法があるのかな?


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