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私はどうなるの?

 新連載始めました。よろしくお願いします。

 秋野稔は、買って貰ったばかりのスマホを片手に友人の家へ急いだ。

 この春から中学生になるに当たって、念願のスマホを買って貰ったのだ。まずはライン登録をして、おすすめのアプリを教えてもらおう。

 何かを育てる類のゲームが好きなので、それ系で。


 交差点で信号待ちをしていて、辺りを見回す。この辺は田舎なので、信号待ちをしている車は一台もいない。

 信号待ちをしている歩行者は、あと犬を連れたおばさんだけだ。見知った顔なので、軽く頭を下げる。

 信号が、青に変わった。稔は一歩踏み出す。と、信号が変わったのにスピードを緩めない車が突っ込んで来た。戻れば助かる。けど、咄嗟の事で足が動かない。目の前が真っ白になった。


 目が覚めたら、辺りは無機質な空間だった。ほの暗くて、どこまで続くか分からない空間に、自分の寝かされているベットと、ソファーにテーブルの応接セット、本棚、それと社長が使うようなテーブルと椅子が置かれていた。

 衝立の向こう側にも何かありそうだけど、体が動かない。


「やあ、目が覚めたかな?ミノリ」

 顔を覗き込んで来るのは、蜂蜜色の髪に、神秘的な銀の瞳の二十歳前位の青年。

「?!誰、ここはどこ?」

「僕は、この世界の隣を管理している神様で、トーラス。トールでいいよ」

 誘拐犯?新手の神様詐欺?

「失礼な。本物だよ。実は君がこれから行く事になる世界、邪神に滅ぼされかけたんだけど、そこを君には再生してもらいたいんだ」

 何でしょうこのラノベ的な展開は。ていうか家に帰して!

「ラノベ?分からないけど、帰すのは無理かな。君はもう死んじゃったからね」

 そういえば、車にひかれた。でも私、生きてるよね?

「ううん、今の君は魂の状態だよ。それよりこれ、面白いね!」

「あ!私のスマホ!返して…って、手がない?」

「だから言ったでしょう?今の君は魂だって。実は馬鹿なの?」

「失礼な!学校の成績は良かった方だよ!ていうかこれから私、どうなるの?」

「だから言ったでしょう?世界の再生をしてもらいたいって」

「…私、戦闘能力皆無だけど」

「邪神は他の世界の勇者が倒したよ。世界も再生してもらいたかったんだけど、自分の役目は終わったからって、元の世界に帰っちゃったんだよね」

「はあ。でも再生って?」

「このスマホってやつに色々と入れておいたよ。ポイントが貯まればそれに応じて色々できるようにしておいた」

「はー?ていうか、神様なんだから、自分でやったら?」

「言ったじゃん。僕は隣の世界の神様。この世界の神様は邪神に消されちゃったから、友達のよしみで面倒見てあげようと思って」

「なんで私が」

「名前が縁起良さそうだったから?秋野稔なんて、これから再生させていく世界にぴったりだと思って。まあ、僕も君を気に入ったからかな」

 イラッとする。名前では散々からかわれたんだよね。

「そうなの?とりあえずこの世界、バルスには荒野と一握りの人間、それと邪神の置き土産の魔物がいるんだ。

 バルスに貢献するか、魔物を倒してもポイントが入るようにするよ。身体能力は底上げしておくし、あとは精霊と協力して世界を再生してね」

 それって名前が悪かったんじゃ?

 なんて思ってたら、意識がすうっと遠くなった。


 くはー、よく寝た。およ?体が動く。と、テーブルの上のメモ用紙に気がついた。知らない文字の筈なのに、読める。

「ミノリへ、この部屋…っていうか、亜空間の部屋は、僕から君へのプレゼントだよ。契約した精霊とか、君と繋がりのある者ならここに入れるから、活用してね。じゃあ、頑張って」

 うん、とりあえず住む所は大丈夫そう。衝立の向こうにはキッチンとお風呂があった。


 姿見があったので覗いて見たら、若葉色の髪にトールと同じ銀の瞳の私がいた。

 違和感半端ない。異国風に彫りが深くなっているから変ではないけど。服もどことなく異国風だし。

 ていうか我ながら美少女?…意味ないか。元の世界に戻れないんだしね。

 ぽつんと一枚、扉が立っている。ここから外に出られるのかな?


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