天使の仕事は断れない!
ダラダラと会話パートです。
父から天使に関することを色々聞いてみて自分の背中に生えている羽やネックレスが弓に変わること赤い糸が見えることなどを踏まえて自分は本当に天使なんだと実感する。
天使の仕事についても大体は理解ができた。
だけれども実際にそれは私がやらなければいけない事なのかという疑問がふと頭を過った。
「ねえ、父さん。その天使の仕事って私が絶対にやらないといけない事なの?」
父に対して思ったことを素直にぶつけてみる。
「そうだね、そう思うのも無理はないか。ただ、これは何というべきか避けられない事なんだ。紬には申し訳ないけれど・・・母さんが天使だという話はしたね。母さんはこの街の担当天使だったんだけれど私と結婚するために天使をやめて人間になったんだ。その代わり生まれてくる子供がその仕事を引き継ぐというのを条件にしてね。だから紬は天使の仕事をやらなければいけないんだ。」
「もし、天使の仕事をしなかったらどうなるの?」
しばらくの沈黙の後に父が重い口を開くと
「天界から使者がやってきて君を連れ戻して半人前ではない本物の天使にするための『再教育』をするそうだ。私としても娘をそんな目に合わせたくはない。」
父から発せられた言葉は衝撃的で暫くの間沈黙が続いたが
「そっかーそれなら仕方ないか。父さんを一人で残していくわけにもいかないし。天使の仕事というものに少し興味もあるし。ただ、私は半分人間だから赤い糸が見えるのが女の人だけでそれがどこに繋がっているのかまでは分からないんだ。これってどうやって天使の仕事をすればいいのかな?」
「それについては君が16歳の誕生日を迎えた日に・・・」
父の言葉を遮るように玄関のチャイムが2度・3度鳴るのであった。