魔王の誘惑
これで5話です!どうぞ最後まで読んでいってください!
さて、最後の難関がやってきた。誰もが夢見る最高のシチュエーションである男女が一つ屋根の下で寝ることだ。
俺は魔王に作ってもらったとんこつラーメンを食べ終えいつもなら8時にゲームを始め、休憩を挟みながらも深夜の3時までやっていた。今日もそのつもりでいたのだが、それを魔王は許してくれなかった。てか人の家に魔王が住んでるってなんだよ! 怖すぎだろ!
9時までゲームをして休憩を挟もうと思い、一旦コントローラーを置いた。
「あー疲れたな。休憩するか」
いつも3時までゲームをするから当然睡眠不足だ。なので休憩を毎度挟みそこで仮眠をとることにしてる。なんて効率の良い休憩なんだろうか。
そして15分くらいの仮眠を経てまたゲームを始めようとコントローラーを探そうとコントローラーを置いてた場所を見た。
だが、そこには先程まであったコントローラーが姿を消していた。
「あれ? 確かそこに置いたはずなんだけどな……」
周囲を見渡してもどこにもなかった。じゃあ考えられる可能性はひとつか。俺はそこの魔王に聞いてみることにした。
「なぁ、俺のコントローラー見なかったか?」
「ん? 見たよ」
「そうか、どこにあったか教えてくれ」
「私がちゃんと保管してるから気にし
ないで」
「え、保管って何?」
「保管は保管。寝る前はテレビゲーム1時間が決まりなの、だからできないように私が預かりました」
「は、はぁ? そんなの俺の勝手だろ、返せよ!」
「どうしても返して欲しいのなら私の提示するゲームに勝てたら返してあげます」
俺のコントローラーなのになんでそんな条件をのまなきゃいけないんだよ! が、ゲームと言われちゃ断れないな。
「しょうがない、わかったよ。で、内容はなんだ?」
「トランプです!」
トランプか……。久しいな、やったのはいつぶりだろうか? 多分中学生以来かも知れん。お泊まりの時には定番のゲームだったしな。
あー中学の時は友達と普通に遊んでたのに、なんで高校に入ったら作れなかったんだろうか。まぁ原因はあの事件だろうな……。
まぁそんな過ぎた事件はどうでも良い。今は目の前の勝負に勝つだけだ!
「トランプの何だ?」
「神経衰弱です! 2人しかいませわので丁度いいですね」
と言い、トランプを裏向きにして細かく広げていった。神経衰弱は何より記憶力を必要とするゲームだ。出たカードをしっかり覚え次に備える。
ずっと学校へ行ってなくて勉強もしてない俺に記憶量が低下してるから勝てるんだと思ったんだろうが、甘いぜ。
「じゃあ私が先引きますね」
まさか不利な先行を選ぶとは。なめられたもんだぜ。
先行 綾瀬 美波はカードが合わずハズレ。
「あー、まぁ最初はこんなもんですね」
「そうだな」
こうして進めていく中、戦いは中盤に差し掛かった。
先行 綾瀬美波 14枚
後攻 横橋 雅人 22枚
「あちゃー、8枚も差がつくなんて雅人君やるねー」
ふん、俺を見くびったことがお前の敗因だ。そして俺はまたもや当たりを引き、差は10枚となった。残り枚数は14枚だ。
数はどんどん少なくなっていく分カードの配置は記憶しやすくなる。ここでの一つのミスは致命的なダメージだ。そしてこの差だ、俺が圧倒的に有利だ。
「次は私だねー……やった、当たり!」
そして連続で当てていき、
先行 綾瀬 美波 20枚
後攻 横橋 雅人 24枚
残り8枚
やるな、だがここでおれが連続で当たりを引けばおれの勝ちだ。そしておれはその配置を記憶している! お前の負けだ!
そして引こうとした瞬間のことだった。
「あーちょっと暑くなってきたねー」
と言い、ワイシャツの胸の方にあるボタンを上からひとつ外した。
「!?」
そしてその一瞬黒いブラのようなものが見えた。
途端俺の中に衝撃が走った。今まで俺は女子のブラを生で見たことがなかったために、この一撃はでかかった。
しかも胸のサイズも恐らくはEカップはあるだろうか。Eカップなんてテレビの中でしか見たことねーよ!
俺の経験のなさがあだとなり、全神経があの一瞬の事に集中してしまいカードの配置を見事に忘れてしまったのだ。
そして当たりを外し、致命的なミスのせいで俺は敗北をしてしまった。
「いやー危なかったよ、雅人君意外と強いんだね!」
「あー、うん」
俺は自分の得意であるゲームで負けてしまい、悔しい気持ちでいっぱいだった。
「やっぱり敗因は、私の胸に釘付けになっちゃったことだね」
「!? わざとだったのかよ……」
くそ、してやられた。俺だから良かったものの、他のやつだったら絶対襲ってたぞ!
こんな夜中に男子の家で学校の制服を少し胸が見えるくらいにはだけさせてるなんて、誘ってるとしか思えない……。てか、理性を保って我慢してる俺を褒めて欲しい!
「ねぇ……」
「な、なんだよ……?」
「なんかちょっと体が熱くなってきちゃった」
「熱か?」
「ううん、違うの」
「じゃあなんだよ?」
すると体を俺に近づけて、とろけたような顔で
「雅人君と2人でこの密閉された空間にいたらちょっと体がおかしくなっちゃって……」
え、それってまさか?
「だからさ、どうする?」
この雰囲気は……。
「え、いいの?」
「うん……雅人君が決めて」
とても甘い声で、俺に委ねてきた。
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