プロローグ
俺の名前は伊藤高志で、タカって呼ばれてる。
午前の授業が終わり、いつものメンバー三人で弁当を囲んでいた。
一人はテル、本名田中輝彦。
もう一人はフータで、本名は鈴木風太だ。
三人揃ってクラスカーストの最下層だったりする。
小学校で出会った時から妙に馬が合い、中学も高校も同じ学校に進んだ。
俺達が何をするにも一緒であったのに加え、三人がそれぞれ特徴的な外見をしていたため、一人のムカツク女子がつけた、チビハゲデブというあだ名によって俺達の地位が決定した。
クラス中の大爆笑と共に。
俺がチビでテルがハゲ、フータはデブさ。
あの女には殺意しか湧かないが仕方がないだろう。
俺達がそうなのは否定出来ないからな。
しかし、人の外見を笑う奴等と付き合う気にはならない。
カースト最下層で十分だ。
今日も周りの女子共を追い払い、フータの席を囲む。
昨日見たアニメ、漫画の話で盛り上がり、弁当を広げた。
いざ食べようとした、そんないつもの昼休みに、それはやって来た。
窓の方がやけに明るいなと思っていたら、突然視界が消えた。
眠りから覚めるように意識がはっきりとしだした時には、さっきまで三人で弁当を囲んでいた教室とは異なる、まるで見たことのない場所に寝ていることに気づいた。
どこだここは?
そう思い、見回すと、テル、フータも近くに寝ている。
寝てる? どうして、っていうか、二人は大丈夫か?
心配になり近寄って呼吸を確認すると、二人ともしっかり息をしている。
ひとまずは安心した。
「何だったんだ?」
俺は独り言を呟いた。
何が起きたのか全くわからない。
仕方ないので周りを調べてみよう。
誰かの部屋なのだろうか。
十畳くらいの空間に、電源の入ったままのテレビとゲーム機、机にはパソコン、冬でもないのにコタツ、その横に敷きっ放しの布団などが見える。
広さ以外は俺の部屋と大差ない家具類だった。
が、それにしても汚い部屋である。
床はポテチの空袋と空のペットボトルが散らばり、コンビニの袋に詰め込まれたゴミが山を作っていた。
布団とテレビの間には割り箸の刺さったままのインスタントラーメンの空容器が乱立し、漫画や週刊誌が高々と積まれている。
部屋の隅には密林の箱が層を為し、今にも崩れそうだ。
布団は敷きっぱなしなのだろう、敷布団はしわくちゃだし、掛け布団は中身だけが出ましたといった絶妙な形を維持していた。
「引きこもりの汚部屋かよ?」
調べようと思ったが、調べる気を失くす部屋だった。
テレビはつけっぱで枕の横にコントローラーがあるし、画面はFPSのゲームらしい。
この部屋の主は、ゲームの途中でトイレにでも行っただろうか。
どうして俺達はここで寝ている?
そこまで考え、テルもフータもゴミの中で寝ていることに気づき、二人を起こした。
問題なく二人も目を覚ましたが、寝起きの悪いフータは少しぼんやりしたままだった。
テルも何が起こったか覚えていないと言ってるし、この部屋にも見覚えはないらしい。
残る可能性はフータだ。
そろそろ頭もしっかりしているだろう。
「フータ、目が覚めたか?」
「え? う、うん。」
フータは軽くどもりがちだ。
「何か覚えてるか? この部屋に見覚えは?」
「い、いや、何も。へ、部屋もわかんない……」
「そうか」
「ご、ごめん……」
「責めてねーよ。俺もテルも同じだし」
「何やったんやろーな。ここもわからへんしな」
テルは怪しげな関西弁である。
「も、もしかしたらだけど……」
フータが何か言いかける。
「ん? 何か気づいたか?」
「い、いや、何でもない……」
「何や? 言ったらええやん」
テルに促され、フータが口を開く。
「わ、笑わないでね……。て、転生なんじゃないかなって思った……」
「は?」
「転生ってラノベでよくあるあれか? んなアホな!」
「だ、だから言いたくなかったのに……」
現世で死に、異世界に転生する。
ラノベでよくある設定だが、だとしたらここが異世界か?
ただの汚部屋なんだが……
それだと俺達は死んだ事になるが、どうみても死んでねーしな。
学校で誘拐されたなんて考えられねーし、マジで分からん。
ひとまずここから出てみようと思った所で部屋のドアが開き、見知らぬ男が入って来た。
『あ、目が覚めた?』
とぼけた感じで聞いてきた。
眠たげな目に、寝癖の付いたボサボサの髪を肩まで伸ばし、皺の寄ったダブダブのシャツに下はジャージという、いかにもな格好。
この部屋の主だ。
間違いない。
これぞ寝起きという表現がぴったりであった。
「ここどこ? あんた、誰?」
『まあまあ、待ちなよ。まずはお昼にしない? お弁当食べてないんでしょ? ピザが届いたから皆で食べようよ。自己紹介はそれからにしよう』
男は何箱かあるピザを、空き缶に覆われたコタツのテーブルに無理やり置いた。
『何で知ってるって顔だね。そこのところもしっかり説明するから、まあ座ってよ』
怪しい、怪しすぎる。
とはいえ、俺一人で決める訳にもいかない。
「どうする?」
「何や知らんけど、めっちゃ怪しい男やな」
「お、お腹すいた」
言いつつフータはピザに吸い寄せられている。
まあ、ぶっちゃけ俺も腹ペコな訳だが、フータの言葉に、あるアニメのワンシーンを思い出した。
異世界に紛れ込んでしまい、不用意にそこの食べ物を食べてしまったため、豚に変えられてしまった哀れな親子の話だ。
変わり果てた両親を助けるために少女は湯治場で働くわけだが、それはまあいい。
二人に言おうとした、その時、
『タカ君大丈夫だよ。ここは異世界ではないし、これはピザ屋の普通のピザだよ。第一、この部屋の主である僕が招待しているんだから、変なことも起きないよ。因みに、フータ君の推測でだいたい合ってるからね。安心していいよ』
何で俺の名前を知ってる?
というか、俺の心を読んでるのか?
フータの言った通り?
やっぱ転生ってことか?
なら、こいつは……
「か、神様?」
『まあ、そういうこと。ほら、座った座った!』
神様だと?!
「何やて? 神様?」
『いーから、まずは座ってよ。僕もお腹が空いてるからさ』
「神様が腹が減るのかよ!」
つい突っ込んでしまった。
そんな俺に自称神様は笑って言う。
『タカ君、それは偏見という物だよ』
言いつつ座り、コタツに足を伸ばした。
フータもそれに釣られ、コタツに入る。
俺はテルを見た。
テルも、どうしたものかと問いたげだ。
仕方なく、俺は空いた席を見る。
とても座れるスペースなどない、ゴミに占拠された空間だ。
「いや、座るとこねーし。テーブルにもゴミしかねーし」
『タカ君も細かい事言うね。適当にどっかにやればいいじゃない』
神様とかいう怪しさ満点の男ではあるし、ゴミの中に座る気にはならないが、危害を加えられる様子もないし、腹の空いている今はピザも魅力的である。
事情も知りたいところであるし、仕方なくテーブルの周りのゴミを片付け、座った。
テルも俺に倣い、コタツ周りのゴミを足で向こうに押しのけた。
それを見届け、自称神様はピザの箱を開け、一人で食べ始める。
『遠慮はいらないからさ、食べてよ』
「い、頂きます!」
フータは早速手を伸ばす。
俺はテルと一瞬視線を交わし、仕方ないと頷いてピザに手を伸ばした。
「普通のピザだな」
「やな」
一口齧り、テルと囁きあう。
まあ、俺はピザにはから揚げも頼むけど。
『そう言うだろうと思って、から揚げも頼んであるよ』
「……気が利くな……」
『あ、飲み物はそこにある冷蔵庫から好きなのを取ってね。近いところにいるからテル君、お願いできるかな?』
「かまへんで」
わかっちゃいたが、テルの名前も知ってるんだな。
テルが冷蔵庫を開け、リクエストを聞いてきた。
ピザにはウーロン茶の俺だが、しっかり揃えてやがる。
しかも好みのブランドで。
テルとフータの好みも当然の如く把握している様だ。
こいつ、やりおる。
神様というのはどうも本当らしい。
最後の一切れをフータが満足げに平らげ、食事会は無事終了した。
しかし、こいつマジで有能だな。
フータの食欲を満足させ、かつ余計に余らせ過ぎない絶妙なオーダー。
多めに頼めばいい?
愚問だな。
小遣いは無限ではないんだぜ?
テルも驚いている様だ。
神様だから当然ってか?
汚部屋の住人なのが謎だが……
敬意を払うべきなのだろうが、そんな気にはならないな。
『じゃ、お昼も食べた終えたことだし、自己紹介やら君達の疑問に答えようかな』
自称神様が言った。
『僕は君達でいうところの、世界を管理している神です。担当は別の世界だけどね。ここは世界の狭間で、君達は魂に限りなく近い存在となっています。君達の最後の記憶であろう教室での出来事だけど、これは僕からは言わない方がいいかな。テレビでも見ようか』
神はつけっ放しのテレビを切り替えた。
ゲーム画面から切り替わり、テレビ番組が映される。
どうやら臨時ニュースらしい。
興奮しているのか、レポーターが早口にまくし立てている。
どうやらうちの高校に隕石が落下して、多数の死傷者が出たらしい。
……は?
うちの高校に隕石? 死傷者?
テルもフータも唖然としてテレビを見つめている。
そんな俺達を置いてけぼりにして、テレビのアナウンサーは喋り続けた。
「死亡したのは高校一年生の伊藤高志さん、鈴木風太さん、田中輝彦さんの三名で、怪我をして病院に搬送されたのは……」
それからは耳に入ってこなかった。
え? 何? 死亡したのは、って? 俺達死んだの? 隕石? は? 俺達生きてんじゃん? 何? ドッキリ?
俺は神の手からリモコンを奪いとり、他の局へと変えた。
しかし、そこでも同じ様な臨時ニュースで、同じ事を伝えていた。
次々変えてみても同じだった。
唯一、某局だけがアニメを放送していたが、逆にそれが俺を冷静にさせた。
そして理解してしまっていた。
神とかいう男の話を。
これは本当のことなんだと。
俺達は死んでしまったんだと。
テルもフータもそうらしい。
取り乱すことなくテレビを見つめている。
俺達が冷静なのは、ここにいるのがいつもの三人という事もあるかもしれない。
そんな俺達に神は続けた。
『ごめんね。僕から伝えてもうまく伝わらないと思ってさ。事実はそうなんだ。君達はあの事故、と呼ぶのかはあれだけど、隕石の落下で死んでしまった。今、こうしてここにいるのは、僕が君達の魂を呼んだからなんだ』
「魂なのにピザを食えるのかよ?」
『そこは僕の能力でとしか言えないかなぁ』
神が続ける。
『でも、やっぱり君達は凄いね。ここに来ても落ち着いていたし、あっさり食事にも付き合ってくれた。自分達が死んだ事を聞いても取り乱しもしない。しかも、それは理解していないからでも信じていないからでもない。理解して受け止めてる。僕の見込んだ通りだ!』
何だか一人でうんうん頷いている。
死んだことは実感がないが理解したが、呼んだってどういうことだ?
目を付けた、だと?
「何か用でもあんのかよ?」
『ああ、ごめんごめん。途中だったね。そうなんだ。僕の管理する世界に君達三人で転生してもらおうと思ってね。その説明のために呼んだんだよ。剣と魔法とドラゴンの世界をその手で! っていうテンプレ通りの世界なんだけどさ。フータ君は了承してくれるかな?』
「は、はい! よ、喜んで!」
間髪いれず、フータが答える。
「フータ、そんな簡単に返事すんなや」
「だぜ。意味がわかんねーし」
「う、うん。ご、ごめん……」
しょげてしまったフータ。
フータは良い奴なんだが流されやすいのが玉に瑕だ。
特にこんな奴の言う事にはな。
『いや、やっぱり君達はいいトリオだね。ま、これは決定事項だから、君達の意思に関わらず異世界に送っちゃうんだけどね。俺が神だ。異論は認めんってね』
何だこいつ……
『だから神だよ』
マジうぜえ……
「やったら何で呼んだんや? 勝手に送ればええやろ?」
『前もって教えておかないと訳わかんないでしょ? そのための説明さ。君達が次の世界で立派に活躍できるように、ある程度の情報を教えておかないといけないしね』
「ち、チートは貰えるんですか?」
立ち直ったフータがワクワクした様子で尋ねた。
ま、異世界転生といったらチート、現代知識無双でハーレムが鉄板だよな。
『フータ君ごめんね。世界のバランスを崩してしまうから、チートはあげられない。その代わりと言っちゃあ何だけど、いくつかの加護はあげるから、それで勘弁してね』
「ど、どんな加護ですか?」
『今の記憶を持ったまま転生できたり、三人揃えば大幅な防御力、体力とか攻撃力がアップしたり、世界の知識とかかな』
チート無しと聞いてフータはがっかりしている様だったが、加護と聞いて持ち直した様だ。
成程な。
チート過ぎると確かにアレだしな。
「なら、ハーレムくらいつけてーな」
テル、それは俺達には難易度高過ぎじゃねーか?
『わかってる。君達も男の子なんだねぇ。それは期待してくれて良いよ? すっごいハーレムを用意しておくよ!」
マジかよ?!
これには三人共に色めきたった。
これまで、三人共に色恋沙汰とは無縁だったからな。
いや、正確に言えば、色気づいても相手にされなかった、だろうか。
「つーか、そもそも何が目的なんだよ?」
『僕の目的は特にないよ。新しく作ったばかりの、地球とは違うファンタジー世界を君達に楽しんでもらいたいから、ってところかな。でも、まあ、敢えて言えば、異世界の文明レベルを進めてほしい、と言っておこうか』
意味がわからん。
「何で俺達に?」
『君達の有り様が面白かったから、だね。小学校からの親友でしょ、君達。喧嘩もしたし、それを乗り越えて更に絆を深めてもきた。そんな三人の最期が隕石で一緒に死ぬなんてさ』
神だけあって、全部知ってるのか……
って全部?!
俺達の関係だけでなく、俺のプライベートのあれもこれも、全部知ってる?!
そんな俺の焦りを知ってか知らずか、神は続けた。
『知ってる? 地球で、隕石で亡くなる人って凄く少ないんだよ? だからテレビも、それこそ世界中で取り上げてるよ。しかも親友三人だけが揃って死んでしまうなんて言ったら、それこそ神の悪戯ってくらいにさ!』
それを聞いてある疑問が心に浮かぶ。
しかし、その疑問を口に出す前にその神は言葉をつなげた。
『言っておくけど、隕石に関して僕は何もしていないからね。管理外の世界の生き死にに干渉してはいけないし。それに君達の世界の管理者はほぼ放任だから、隕石に関しては運命としか言いようがないよ。それに、隕石で君達が揃って死んでしまって初めて、僕は君達に興味を持ったんだしね』
死んでから興味を持った、だと?
『君達は勿論覚えていないだろうけど、君達の魂の遍歴は不思議だよ。前世でも君達は出会ってるんだよね。まあ、フータ君が飼ってた犬がテル君で、タカ君はテル君についてたノミなんだけどさ』
「ノミって何だよ!」
俺は思わずツッコミを入れた。
聞こえてるはずだが、無視された。
『時々あるでしょ? 運命の出会いみたいな話。あれって前世でも出会っていたから、その記憶が呼び起こされるんだよね。魂が記憶してるっていうかさ。君達は、何故か何度も出会ってるんだよね。君達の世界の神は一切手を出していないはずだから偶然のはずだけど、時に偶然は、良く出来た小説の様な物語を作るよねぇ』
そこまで言って神は言葉を止めた。
それまで上機嫌で話していたが、表情を曇らせ、声のトーンも下がっている。
『でもさ、そんな不思議な縁を持った君達がさ、今度はバラバラになるかもって考えると惜しいじゃん? 折角の君達の縁を活かせないのは悲しいじゃん? だからさ、僕は考えたんだ』
心なしかうっとりしている風に見える。
嫌な予感しかしない。
『君達の縁をそのままに、君達を僕の作った世界に送ればいいってね! 不思議な縁を持った君達が、僕の作った世界でどんな冒険をするのか、今から楽しみなんだ! 用意したドラゴンとは、どうやって戦ってくれるんだろう? トラップだらけのダンジョンは、どう攻略してくれるんだろう? もう、待ちきれないよ! 因みに、君達の活躍の様子はこのテレビでばっちり見ているからね』
こいつ、笑顔で言い切りやがった!
それも、眩しいくらいの笑顔で!
だが、言ってることは滅茶苦茶じゃねーかよ。
俺とテルはすぐに文句を言った。
「勝手なこと言ってんじゃねーよ! プライバシーの侵害だろ!」
「んな、アホな」
『心配御無用。僕は神だから、勝手にするさ。勝手ついでにそろそろ行ってもらおうかな。質問があるなら今だよ?』
ブーブー文句を言うだけの俺達をよそに、フータが質問をする。
「や、やっぱり向こうでも死ぬこととかあるんですか?」
『それはそうさ。加護で体なんかは丈夫になるけど、危険な魔獣や生物界の最上位種に作ったドラゴンもいるしね。でも、加護で記憶を持ったまま転生してもらうから、一回きりの冒険だと思わないでね。人間の文明を発展させてもらおうってんだから、100年200年では済まないよ』
「ぶ、文明の発展っていうのは?」
『何も地球の現代文明にしろっていう訳じゃないさ。ある程度、だね』
「ま、魔法について教えて下さい!」
『それはついてのお楽しみって所かな。君達オリジナルの魔法を用意してあるから、楽しみにしてね!』
俺も聞いておくか。
「こっちの魂って、異世界に送ってもいいもんなのか?」
『一寸の虫にも五分の魂って言うよね? 地球上のゴキブリの総数って1兆5000億匹らしいよ。その内日本には230億匹くらいいるらしい。輪廻転生してもさ、人間の来世は確実に、ゴキブリとは言わないけど虫けらだよ。だから問題はないよ。誤差にも入らない誤差だよ。問題があればこっちの管理者がクレームなり入れてくるさ』
はい、そーですか。
輪廻の先がゴキブリって嫌過ぎるだろ!
いや、芸能人のあの子の家に入れる、と考えればあるいは……
蚊になって血を吸いにいける?
『タカ君もまたマニアックな趣味をしているね……』
うっさいんじゃ、ボケ!
『じゃあ、そろそろいいかな? 今の記憶は三人が揃わないと思い出さないようにするけど、その為に三人が揃いやすい様に運をいじっておくよ。なるべく同じ時期、同じ場所、同じ種族に生まれる様にするけど、誤差は出るから勘弁してね。怪我をすれば痛いし、普通に死ぬけど、何度も生まれ変わってもらうから』
異世界転生でどうなんだ、これは?
普通に死ぬとか言われてもな……
『三人が本気で拒否すれば、それ以後の転生では記憶を消去して、しがらみはなくなるから安心してね。それぞれの部屋の中までは覗かないから、プライバシーはあんまり心配しないでいいよ。出会えば三人だとわかる様にしておくからね。言葉が違うこともあるかもしれないけど、三人でなら会話はできるから。色々言いたいことはあるだろうけど、神ってのは勝手なものさ。諦めようね』
自称神は散々好き勝手な事を述べ、俺達は光に包まれた。
どうやら異世界に転生するらしい。
正直、信じられないのだが……