ちがくていい
昔書いたもの。多少手を加えただけです。
あるところに、皆と違う男の子がいました。何が皆と違うのかって?
なんと、頭に綺麗な角が生えているのです。
「お前変なのー!」
友達の男の子が言いました。
「みんなと違う」
女の子が言いました。
『気持ち悪いぞー!』
皆に言われました。涙が出てきます。
皆と違うのは、悪いことなの? 気持ち悪いことなの?
男の子は、一生懸命考えました。
――――――皆と、仲よくなりたい・・・・! そのために、この角は邪魔なんだ。
男の子は、角を折ることにしました。
―――――痛いのは、嫌だけど・・・・独りはもっと嫌だ!
震える手を何とか動かし、角に手をかけます。力を加えようとした、その時。
「そんなこと、しなくていいんだよ」
「えっ・・・・?」
一人の、優しい女の子が言いました。
「みんなとちがうのは、駄目なことじゃないよ」
「で、でもっ・・・・!」
「みんなちがくて、いいんだよ」
「っ」
その言葉に、男の子の心は大きく震えました。
「ほら、一緒に遊ぼ? 皆、待ってるよ?」
女の子が手を差し伸べます。男の子は、微かに躊躇し、その手を取りました。
「うん・・・・」
二人の歩む先には、沢山の"友達"がいました。
男の子の涙は、温かなものに変わりました。
いじめも差別も駄目です。