お怒りの様子
小屋に帰ってくると、ルーナは未だに怒っていた。
『本当に信じれないわ、この変態が』
プイッと目線を逸らされ、頬を膨らませていた。
『悪かったよ・・・』
『むー・・・』
『機嫌を直してくれよ、何でもするからさ』
そう言うと、ルーナに顔色が変わって口元を緩めた。
『・・・何でもって言ったかしら?』
『ああ、出来る範囲ならな』
ルーナは不気味に笑い、ソファに座りながら足を組んだ。
『それじゃあ・・・して貰おうかしら』
あ、これは絶対に良からぬ事を考えているな。
と思ったらマッサージをしてほしいと言われ、
ルーナがベッドの上に横になって俺はマッサージをしてあげた。
『ふふー快適だわ』
これぐらいで済んで良かったわー。
肩を両手で揉んでいると、『次は腰を揉みなさい』
と言われて言われるがままにした。
『んっ、なかなか上手いわね・・・』
『ここが良いのか?』
更に強く押してあげると、ルーナは色っぽい声を出した。
『ふあっ、そこが気持ちいいの・・・』
『じゃあ、もっと強くするぞ』
『う、うん・・・』
あれ?これってなんかエロくね?俺の考え過ぎか?
マッサージが終わる頃は心臓の音が大きくなっていて、顔が火照っていた。
そんな様子を見たルーナが『どうかしたの?』と聞いてきたから正直に答えた。
『エロい事をしている感じになってな、ルーナの色っぽい声に興奮したよ』
そう言うと、再び風の魔法で外まで吹っ飛ばされた。
窓を開けていたから良かったもの、開けていなかったら危なかったわー。
転がっている俺に対して、窓から顔を出して怒っていた。
『何考えているのよ!ロアンの変態!ばーか!!』
窓を閉められ、起き上がってドアから入ろうとしたが、
鍵を掛けられて入れなかった。
『ルーナさーん。鍵を開けて貰えないでしょうかー?』
一時間程でようやく開けてくれました。
昼食は当たらないと思っていたが、
ちゃんと俺の分の野菜シチューを作ってくれた。
いやー、本当にありがたいです。
食事の時はいつも通り楽しく会話をしたけど、
『ロアン、今日は貴方が皿洗いをしなさいよ?』
と捨て台詞を言われて、自分の部屋に戻って行った。
んーまだ少しだけ怒っている様子だな。
まぁ、皿洗いくらいなら任せろ。
俺はさくっと使った皿やスプーンをキッチンで洗い、
暇だったから自分の部屋に戻って暇潰しに本を読む事にした。
ルーナが昔に森に捨てられていた本を全て持ってきたみたいだから、
本棚には沢山の本が並んでいるんだ。
これだけあったら暇潰しには最高だろう。
しばらく手に取った読みかけの本をベッドの上で寝っ転がって読んでいると、
ドアを開けてルーナが入ってきたのだ。
『ロアンー』
『んー、なんだ?』
『私、今日の夜ご飯を作るために山菜取りに行ってくるわねー』
『ああ、了解ー』
そう言ってドアを閉めて、ルーナが夜ご飯の為に出掛けた。
本当にルーナは優しい女性だよな。
怒っていてもなんだかんだでしてくれるし、料理も作ってくれるしな。
そんな事を少しだけ考え、寝っ転がって本を読んだ。