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お別れと約束

水浴びを終えた私達は小屋に戻り、

サンドイッチをリリーとスフィアと一緒に作ってテーブルに置き、

みんなで楽しく食べました。


とても楽しい時間はあっと言う間に過ぎてしまいますね、

残念ながらもう直ぐリリー達とお別れをしないといけません。


気が緩んでしまうと、泣いてしまいそうになります。


『ルーナさん、どうしたの?』

『大丈夫か?』

『泣いているのー』


三人が心配するように声を掛けられて気が付きました。私は涙を流していました。

私は心細くなり、その場でリリー達に言ってしまいました。


『皆さん・・・今度はいつ会えますか・・・?』


私のせいで重苦しい雰囲気を作ってしまいました。最低よね・・・。

しかし、リリーの口から思いもよらない言葉を返してくれました。


『ルーナさん、言ってなくてごめんなさい。

これからは直ぐに逢いに行けるようなりましたから安心してください』


『ん?直ぐに逢えるってどゆこと?』


俺がリリー達に質問すると、スフィアが笑顔で答えた。


『実は私達だけじゃなく、もう一人付き添いで来ている友達がいるんだ』

『そうなのー。私達の為に気を遣ってくれて近くの町で泊まってくれていたのー』


俺とルーナは訳が分からずに聞いていると、

スフィアが玄関先に向かってドアを開けて、

『エリナー、もう降りてきていいぞー』と声を出すと、上から突然女性が降ってきた。


そして何事も無かったかのように小屋の中に入ってきた。


『どもー!初めまして、エリナです。見ての通りに魔法使いよ』


エリナと名乗る女性は腰あたりまである綺麗な赤髪に、

紫色の三角帽子とローブを羽織り、大きめの杖を手に持っていた。


『ど、何処から現れたの!?』


こればかりは普段は落ち着いてるルーナも動揺を隠しきれなかった。

そんなルーナに対し、エリナという魔法使いは冷静に一言だけ喋った。


『みんなの水浴びが終わった頃に飛んできて、

少し来る時間が早かったみたいだからそのまま空を飛んでいたよ』


全然気がつかなかったー!!

いやー、びっくりだわー・・・まぁ、それよりも気になる事を質問した。


『このエリナっていう女性が、これからは直ぐに逢えるようになる事に何の繋がりが?』


質問をしてみると、エリナと名乗る女性が誇らしげに威張っていた。


『それはですねー。私、一度訪れた場所にならテレポートの魔法でいつでも来れるからよ!』

『まじか、そんなチートみたいな魔法が使えるかよ。すげーなおい』


つい、心の中の声を出していた。

凄い万能の魔法だなと思っていたが、エリナが言うのはそうでもないらしい。


どうやら、リリー達が住んでいるウィリックという町からは此処までその魔法で移動すると、

魔力がすっからかんになって一日休まないとその魔法が使えないみたいだ。


んー、それでも充分に凄くねーか?

ルーナは安心したのか分からないが、

涙を流すのをやめて笑顔になっていた。


まぁ、俺も安心したかな。

これでルーナが悲しい涙を流さなくて済むからな、

やっぱりルーナは明るい笑顔の方が似合う。


『皆さん、いつでも来てくださいね』


そう言って楽しく昼ごはんを食べる事ができて、

悲しい別れをしなくても大丈夫になった。


リリー達はそれぞれ荷物を待ってウィール村に行く準備をし、

小屋を出て二人で見送りをした。


『また来てください、今度はエリナさんも遊びに来てくださいね』

『いいの?やったね』

『またくるね。ルーナさん』

『じゃあな。ルーナ、ロアン』

『またなのー!』


俺たちは明るく手を振って答えた。



その一週間後。リリー達が遊びに来てくれて、

ウィリックの町で有名なパンケーキをお土産に持って来てくれた。


食べてみると、パンケーキの上に乗っている苺やブルーベリー、

生クリームまでが新鮮でめっちゃ美味しかった。


エリナに尋ねると、『さっき買ってきたばかりだからね』と自慢気に話をしていた。

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