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パンをゲットしたからどうするか

パン屋さんを親子で経営しているお店って微笑ましいですよね、

現実で見た事ありませんが(笑)

強引に連れて行かれ「パンシナル」と看板が書かれているパン屋の目の前に着いた。

俺はそのお店を見て口を開いた。


『ん?ここのパン屋って・・・俺がいつも来ているお店だ』

『えっ、そうなの!?』

『ああ』


ミリアは驚いた表情をしていたが、今度は笑顔で話しかけてきた。

表情がころころ変わって面白い子だ。


『なら尚更お礼をしやすいわね!ママにロアンに助けて貰ったと言えば、

簡単にパンをサービスしてくれるわね』


ちょっとだけ申し訳なくなったが、お言葉に甘えてパン屋に入った。

お店に入ると木のテーブルの上に香ばしい数々のパンが沢山並んでいて、

窓際には色んな雑貨が置いてあった。


やはりこのお店で間違いないようだ。

すると、カウンターの置くから茶色の髪を一つに纏めているエプロン姿の女性が現れた。


『あら、お帰りなさいミリア』

『ただいまー!』


その女性はミリアが大人バージョンになった感じの顔立ちをしていた。

あーさすが親子だ似ているなー。


そんな二人のやり取りを見ていると、母親がこちらに気がいて挨拶をしてくれた。


『あら、ロアンさんじゃない、いつも来てくれてありがとう』

『あ、はい。どうもです』

『ママー聴いてー。実はねー・・・』


ミリアの母親は娘の顔と俺の顔を交互に見て口をゆっくりと開いた。


『二人で一緒に来たと言う事はもしかして・・・付き合っているの?』

『『えっ?』』


母親から突然付き合っているのかと勘違いされ、

顔を真っ赤にして恥ずかしがっているミリアがいた。


『ち、違うわよ!そういうのじゃなくてー・・・』

『照れなくていいわよミリア。彼氏の紹介か何かでしょう?』

『だ、だからそういうのじゃないってばー!』


母親の勘違いで話がずれたがミリアが先程の出来事を話すと、驚いた後に叱っていた。


『えっ!?ゴブリンに襲われそうになっていたところをロアンさんに助けられた!?

何でそんな奥まで探しに入ったのよ!!』

『ご、ごめんなさい・・・』


ミリアは今にも泣きそうに落ち込んでいた。

だから俺は二人の間に入るように止めに入った。


『まぁまぁ、ミリアも反省しているようだからその辺にしといてあげてください。

無事に帰ってきたんですから』


膝は怪我していたけど、俺が治してあげてもう完治しているし。

そう言うと、母親はため息をついていた。


『それもそうわね・・・ロアンさん、うちの娘を助けてくれてありがとうございます』

『私も改めてお礼を言いたいわ。本当にありがとう』


親子でこんなにもお礼を言われると、なんだか気恥ずかしくなるな。

母にも『お礼に好きなパンをサービスしてあげるわ』と言って、

数十種類のパンを紙袋に入れてくれた。


お言葉に甘えるとしよう。


『ありがとうございます。必ずまた来ますね』

『ええ、またいらしてください』

『またねー!ロアンー!』


手を振って見送りをされたから俺も手を振り返してパン屋を出た。

これだけあったらルーナも喜んでくれるだろう。


パンを無料でゲットしたが、

お金も貰う為にギルド会場に寄ってモンスター討伐の報告した。


『それじゃあ、しばらく待っていてくださいね』

『ああ、りょーかい』


俺はギルド会場内にあるテーブル席に移動し、少しだけ仮眠を取ることにした。


何で時間を持て余しているかと言うと、

モンスターを討伐した報告をすると、

ギルド員が直接現場に向かって確認するから時間が掛かるのだ。


死骸をそのままにする訳にもいかなく、何人かで死骸を埋め、

一人がモンスターの数を数えて報酬も確認して戻ってくるからまぁ時間が掛かるわ。


本来なら自分でモンスターを埋めたり、

戦利品を持って来た方がギルドの方も楽なんだが、面倒だからしないよ?


確認が終わると、ギルド員から銅貨が入ってる布袋を貰った。


『銅貨20枚です』

『どもー』


さてと、もう用は済んだからさっさと出るか・・・。

右腕で支えるようにパンが入っている紙袋を持ち直してギルド会場を出た。


『この銅貨・・・どうしようかな?』


本当はこれでパンを買おうとしたが、もう手に入っているから買う必要はない。

そうだ、この村で日常品を買うのもありかもしれんな。


『取り合えず、買い物をするか』



村にあるお店をひたすら回り、いい物がないかを探していた。


『特にねーな・・・』


無理に使う必要はないから今日は帰ろうかな?

雑貨屋を出ようとした時、壁際にいくつかのネックレスが飾ってあるのが目に入り、

少しだけ気になった俺は近くに寄って眺めた。


『へー意外と安いんだな・・・』


値札を見てみると、銅貨10枚から50枚あれば買える金額だった。

何種類ものネックレスを触れて見ていると、一つだけ気になった品物があった。


そう、四葉のクローバーをモチーフにしたネックレスだ。

何故これを気に留めたかというと、ルーナの事を頭に過ぎったからだ。


これを付けているルーナか・・・似合いそうだな。

値札を確認すると、丁度銅貨20枚で買える品物だ。


日頃のお礼に偶にはあいつにプレゼントをあげるのも悪くないか・・・。

そう考えた俺は近くにいた店員に声を掛けた。

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