秘密の本棚
ルーナがいない間、自分の部屋にある本が見飽きたから、
勝手にルーナの部屋に入って本を探している。
『何か面白そうなのがないかなー』
棚に置いてある本は魔法書や歴史書ばかりでつまらなそうだ。
んーこれは昼寝していた方が良さそうだ。
そう思った矢先、気になる物があった。
でかい本を手にとって戻そうとした時に奥の板に違和感を感じた。
『ここだけ飛び出ているような・・・』
しかも開けそうな感じだ。試しに上から板を指で下ろした。
『あ、あいた』
しかも、その奥から黒色の本が出てきた。
興味心身の俺はその本を手にとった。
表紙を見ると「禁断魔術書」と書かれていた。
絶対に見たら駄目そうなやつだが、
余りの怪しさに栞が挟まっているページを見開いた。
○
ルーナが帰って来ると、俺は確認する為にルーナに尋ねた。
『どうしたの?ロアン。そんなに怖い顔をして・・・』
『聞きたいことがあるのだが』
後ろに本を隠しながら聴いた。
『俺は何でルーナに拾われる前の記憶がないんだ?』
『それは貴方が記憶喪失だったからよ』
ルーナは顔色の変えずに答えると、俺は本をテーブルの上に出した。
『じゃあ、この本に書いていることは?』
ルーナは目を見開いて驚いていた。
『何でそれを・・・』
そう、俺が出したのは「禁断魔術書」だ。
この本に書かれてるページに「死んだ人を生き返らす禁断魔法」
が書かれており、この内容が今の俺と一致している。
内容は死んだ人を蘇らせると対象は生きていた頃の記憶がなくなり、
体内に入れ込まれている魔法に寄って魔法が使えるようになる。
そう、俺はルーナに拾われる前の記憶がないし、普通の人間だが何故か魔法が使えていたのだ。
それも何で使えるかがまったく分からないでいた。
エルフの近くにいるから俺も使える程度の認識でいた。
だから俺はこれを読んで思ったんだ。自分はルーナにこの魔法を使われたのではないかと。
真実を知る為にルーナに問いかけると、
明らかに顔色が悪くなっていて、少しだけ震えた声で言った。
『ごめんなさい・・・あの時はこうするしかなかったの・・・』
ルーナは俺を拾った時の話をした。




