天使と夢魔な二人組み
ミリアは恥ずかしがって顔をまともに合わせてくれないので、
リナリーに色々と話を聞くことにした。
なるほど・・・このお店はやはり普通の衣類屋ではないらしい。
話に寄ると、色んな仮装の着せ替えをして楽しめるお店みたいだ。
店内で仮装をするのは無料だが、貸し借りするには銅貨10枚必要みたいだ。
丸二日借りて銅貨10枚は妥当だが、この小さな村で借りる奴がいるだろうか?
リナリーに更に聴くと、
ここの店主は色んな場所で仮装を広めたいから期間限定オープンだと説明してくれた。
あーそういうことね、なるほど。
話が終わったらリナリーも仮装をする為に服を選んで着替え室に向かって行った。
二人だけ残されて気まずい雰囲気になったが、
ミリアが先に話しかけてくれた。
『えーと・・・その、ね。リナリーの付き添いでここに来て・・・
決して天使の格好が可愛くて着たとかじゃないからね?』
先ほどよりも落ち着いているが、今だに恥ずかしそう話している。
まあ、そういうことにしてもいいが、その姿が可愛かったから冷やかしてやった。
『ミリア、本物の天使みたいに可愛いぞ』
『か、可愛いって!?もーからかわないでよー・・・』
んー反応が面白いな。
そんなやり取りをしていると、リナリーに呼ばれたから振り返った。
『ミリアー、ロアンー。着替え終わったよー!』
『おーどんな仮装をしー・・・』
『えっ・・・』
俺だけではなくてリナリーも驚いている表情をしていた。
リナリーの姿を見たら、
黒いビスチェを着ている背中からコウモリみたいな黒い翼が生えていて、
ほぼ下着のような衣類から長くて黒い尻尾が出ていた。
これは・・・多分サキュバスかな?
何の仮装かを当てると、リナリーが嬉しそうにぴょんぴょんと跳ねていた。
んーすげーエロイ格好だな。
リナリーは恥ずかしがらずにいたが、
ミリアが『他にも男性客がいるんだからそんな格好をしたら駄目よ』
と注意をしていたが聞く耳を持たなかった。
そんなサキュバスの格好をしているリナリーを眺めていると、
ずっと見ていたのがばれてこちらに近づき、
俺の顔を覗き込むようしてからニヤリと笑みを浮かべていた。
『ロアンったらー、もしかして私の格好に欲情しちゃった?
ふふー、ならサキュバスらしくエッチな事をしてあげよっか?』
これはまじでエロイな。良し、そっちがその気なら俺も乗っかってやるぜ!!
興奮しそうになったらミリアが『私は天使だからそんな事は許しません!!』
そう言いながらリナリーを全力で止めていた。
あれーミリアさん?天使になりきっちゃているよー?
多分好きで天使の格好をしたに間違いないな、うん。
心の中でそう確信し、
修羅場がなんとか収まったところでミリア達が私服に着替えてお店を後にした。
『じゃあねーロアン!ロアンが望むならいつでもサキュバスになってあげるよー』
『それだけは駄目なんだからねー!!』
『おーじゃあなー・・・』
あいつらは本当に対象的な二人組だな。
ん?何で俺はまだこのお店に残っているかって?
それは当然、ルーナに着せ替えをさせる為だ。
俺は三着ほど選んで借り、森にある小屋に帰る事にした。
サキュバスを小説に登場させたかったので、リナリーにコスプレをさせてみました。ミリアちゃんの天使コスプレもなかなか・・・次回はルーナにコスプレをさせます。




