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ワインを飲むルーナ

『ただいまー』

『あら、おかえり。ロアン』


小屋の中に入ると、ルーナがキッチンで料理をしていた。


『何を作っているんだ?』

『山菜の揚げ物を作っているわよ』


およ?ワインと合いそうかな?

俺は後ろに隠しているワインボトルをルーナに見せつけた。


『揚げ物かー、ならこれと合いそうだな』


ワインボトルを出すと、ルーナが不思議そうに見ていた。


『それはワイン・・・?どうしたの、それ?』

『ふっ、ルーナが好きそうだから買って来たんだ』


カッコつけて言うとルーナに笑われたが、とても喜んでくれた。

ルーナが料理を作り終わり、俺はプレートとワインボトルとグラスを用意し、

山菜の揚げ物とパンをテーブルの真ん中に置いて向かい合って座った。


『『いただきまーす』』


まずは出来立ての料理を食べ、

ルーナはグラスに入っているワインを一口飲み、

俺は未成年だから普通の葡萄ジュースを飲んだ。


ルーナがどんな反応をするか気になって様子を見ていると、手を口元に当てていた。


『あら!凄く美味しいわ!これ!!』


やっぱり美味しんだな、買ってきて正解だったぜ。


『アルコールだから余り飲みすぎるなよ?』

『ふふっ、私はエルフだからアルコールくらい何ともないわ!』


エルフってアルコール強いのかな?

何の根拠も無いのに自信満々で言っていた姿が可愛かったから見守る事にした。


その数十分後・・・。


『うふふーっ、本当に美味しいわねーこのワイン』


ルーナの顔が耳まで真っ赤になっていた。

つまり、酔っ払っているって事だ。


『もう一杯飲むわー・・・』


そう言って半分しか残っていないワインボトルに手を付けようとすると、椅子から転げ落ちた。


『きゃあっ!?』

『大丈夫か!ルーナ!』


椅子から立ち上がってルーナの元に寄ると、

寝言のように話してきた。


『おやすみー・・・』


そう言いながら目を閉じて寝てしまったのだ。


『たくっ・・・だから飲みすぎるなよって言ったのに・・・』


取り敢えず、ここで寝かれても邪魔だからルーナの部屋まで背負って運ぶ事にした。


『せーの・・・』


ルーナは軽そうだから背負ってみたが・・・んー、意外と重い?

直接言ったら殴られそうにだから口にはしないけどな。

まぁ、運ぶのが大変そうだが、

ルーナの大きな胸が背中らへんに当たっているのを堪能しているから満足だ。


そして俺はルーナをベッドまで運び、

風邪を引かれても困るから布団を掛けてあげた。


『さて、俺は皿洗いでもしてくるかな』


俺はテーブルの上にある物を全て片付け、

皿洗いをしてから自分の部屋に戻って眠くなるまで本を読んだ。


『ふあー・・・寝るか・・・』


読んでいた本を小さなテーブルに置き、布団を被って寝る事にした。


『おやすみー・・・』



翌日になり、朝から騒がしい大声で目を覚ました。


『きゃあっ!!!???』


寝ぼけていたが、その声に反応して体を起こして目をこすっていると、

ルーナが物凄い勢いでドアを開けてきた。


『ロアン!?昨日私に何をしたの!?』

『はい?』


昨日・・・?ルーナが酔っ払ってベッドの上まで運んだ事だよな?

何をそんなに慌てているのか。

首を傾げていると、ルーナが恥ずかしそうして声を出した。


『何で私、裸でベッドの上で寝ていたのよ!!』


俺は心当たりがないから首を傾げる事しか出来なかった。

すると、ルーナが迫って来た。


『ロアン!昨日、酔っ払っている私に対して何かしたでしょう!?』

『いや、マジで何の事か分からないんだが?確かに俺はルーナをベッドまで運んだが、

決して服を脱がしたりはしてないぞ?』


うん、それは断じてしてないよな。うん。

俺はルーナに質問をしてみた。


『酔っ払って暑くなったから自分で服を脱いだんじゃないのか?』


そう言うと、ルーナが何かを考えていた。


『・・・・・・・・・確かに夜中に目が覚めた時に暑くて脱いだような・・・気もする』


ルーナがずっと考えている素ぶりをしていると、

ようやく冷静さを取り戻して謝ってきた。


『・・・そうかもね。ごめんなさいね、ロアン。疑ってしまって・・・』

『いや、大丈夫だ。誤解が解けて良かったさ・・・』


良し、これで問題解決だな。

まだ眠たいからもう一度布団に入って寝ようとすると、ルーナが質問をしてきた。


『ところで、ロアン?さっき私を運んだって言っていたけど、どうやって運んだのかしら?』


俺は朝方で脳がまだ回転していなかった所為で正直に答えてしまった。


『んー?背負ってだけどー?』

『背負ってって事は・・・私の胸、ロアンの背中に当たるわよね?

それと、太ももにも触れているわよね?』

『うー・・・ん。柔らかくて最高だったぜ』


そう言ってしまうと、ルーナに思いっきり殴られました。

今日は最悪なスタートを切ってしまったようだ。ちくしょー。


まぁ、昨日のワインを買った件では感謝をしてくれたから良しとするか。

エルフはアルコールに弱い?本来はどうなんでしょうね?



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