第8話 能力と音
風魔は椅子に座った。
「お前さっき、目の原理について聞いていたんだろ?」
雅也は首を縦に振る。
声には出さなかった。
「お前、目の種類も聞いたか?」
雅也はまた首を縦に振る。
「ならその目の能力を今からみしてやるよ」
雅也はワクワクしながら風魔の話を聞いた。
「まずはネリアン・ジン・ホープからだ。こいつの目の種類は付属眼だ」
横3人並んでいた人の左の人が前に出てきた。
髪の毛が黄金のように輝いている。
身長も高く、いかにもパリジェンヌって感じだ。
目の色は・・・・黒?
「どうも始めまして、ネリアン・ジン・ホープです。名前が長いのでジンと読んでください」
どうやらこのジンってゆう人は女の人だったらしい。
たくましく、真面目そうな人だ。
雅也はどっちの性かちょっと迷っていた。
だがこれではっきりした。
「風魔なんでジンさんは目が黒いんだ?」
そう雅也が聞いたとき、後ろ2人いたうちの一人が雅也のほうに近づき胸ぐらを掴んだ。
「おい貴様誰に向かって話してるんだ?」
男は切れているようだった。
雅也は冷静沈着に言った。
「そこにいる風魔にだよ」
男の額には血管が浮かび上がっていた。
前にもあったような風景だ。
「次、隊長にタメ口聞いてみろ、俺が裁いてやるよ」
男は胸ぐらを離し元にいた位置に戻った。
風魔はのどを鳴らした。
「おい、ジャロック勝手な行動は許さんぞ」
雅也の胸ぐらを掴んだ奴はジャロックという奴らしい。
坊主に剃り込みを入れた頭。
短気そうだ。
目の色は・・・・また黒?!
「すみません。風魔隊長」
ジャロックが謝った。
「わかればいい。後、雅也、目が黒いのはコンタクトを着用させているからだ。特に意味は無い。それではジンお前の能力を雅也にみしてやれ」
ジンが雅也の近くに行き、手を前に出した。
すると、青い火花が舞い出した。
「これは、付属眼の一種の『青炎の目』です」
青い火花はまるで宙に舞う花火のようだった。
ジンが左手を握ると火花は激しい音と共に爆発した。
「これが私の能力です。つまり、付属眼とは風、炎、水、氷などの属性を操れる目というわけです」
雅也は思った。こうゆうのも真実の宝石で動いているのかと。
風魔が言った。
「次のジャロックが双獲眼だ。ジャロック説明して、力をみしてやれ」
ジャロックが前に出るとジンは後退した。
「双獲眼の力を持つジャロックだ。双獲眼は目の能力と目の能力を融合させて使うものをいう。以上だ」
ジャロックは腰ポケットに手を突っ込み指輪くらいの大きさのシルバーリングを出した。
肉眼でやっとみえるくらいの糸がくくりつけられてるのが雅也にはわかった。
ジャロックはシルバーリングをぐるぐる回しだした。
「これが俺の能力だ」
すると、電気のようなものが、糸を伝わっていき、リングに電気が当たると、リンクの輪から黒く硬そうな物質が棘のように出てきた。
「うらぁ」
ジャロックはシルバーリングをさらに振り回しだした。
ジャロック以外の人は端っこに避ける。
雅也も小走りで隅に逃げる。
「これが、俺様の『|電透裂槌《ライジング・ハンマー』だ。」
ジャロックは電透裂槌を振り回し、壁に当るとなんと、壁がえぐれていた。
「おい、ジャロックそのくらいで終われ」
風魔が命令をした。
その時、電透裂槌がジャロックの手から抜けた。
その抜けた先には雅也がいた。
「うわぁ、しまった」
ジャロックは嘆いた。
その時、指をパチパチ鳴らす音が聞こえる。
『音の守り声』
どこからもなく、とてもきれいな声が聞こえた。
だがその事よりもジャロックの電透裂槌が雅也に向かっている。
もうあと2メートルくらいのところで電透裂槌は見えない壁にぶつかり止った。
雅也は腰が抜けてしまった。
「こら!!!ジャロック」
風魔の怒声が聞こえる。
ジャロックの電透裂槌はただのシルバーリングに変わった。
「大丈夫ですか?」
ジンが雅也に近づく。
「今のは何なんだ・・・」
ジンは隅に立っていたまだ紹介されてない人を指を指した。
「彼女の能力で助かったんですよ。彼女の守りの技の『音の守り声』です。彼女はあまりしゃべれないので私が紹介させてもらいます。彼女は雅也さんと同じ異世界から来た人なんですよ。彼女は紅虹鈴あなたと同じ日本の出身です。4年前にこちらにきました。目の能力は特殊眼です」
虹鈴は白いフードを被り、ロングスカートを穿いていた。
首にはきれいな宝石の首飾りが身に付いていた。
「おい、皆聞け」
風魔の声が聞こえた。
「今から本格的な話に戻るから、椅子に座ってくれ」
風魔の隣には暗く落ち込んだジャロックの姿が見える。
『コンピューターシステム・オン』
風魔が言った。
「椅子をもう2個出してくれ」
『かしこまりました』
床から椅子が生えてきた。
雅也はちょっと感動した。
風魔がさっきいっていた秘密は多分このことを言いたかったのだろう。
皆が椅子に座ると風魔はしゃべりだす。
「これよりお前たちと俺でこの雅也を鍛える事になった」
ジャロックは反応した。
「俺がこの餓鬼の教育をするのですか・・・?」
ジャロックが風魔に聞いた。
「あぁそうだ。お前に文句は言わせないぞ。さっきの件と良い問題だらけだからな。期間は2週間。目の能力の開放、及び操り方を教えてやれ」
ジンと虹鈴は立ち上がり、右手を左胸に手を当てた。
どうやらこの行動は了解という意味らしい。
遅れてジャロックもその行動をとった。
「ならこれで終わりだな。今日はもう遅いから明日から開始だ。場所はここでやって良い。あと何かあったらすぐに連絡をくれ。以上だ」
風魔はまた風のように消えた。
「それでは、私たちも戻りますかね」
ジンが笑ってゆった。
ジャロックと虹鈴はうなずいて出て行った。
「雅也君は今日はここに泊まってください。コンピューターシステム・オン。ベットと机と椅子を出してください」
ベットと机と椅子が出てきた。
「あと何かいるものはある?」
ジンは聞いた。
「コンピューターシステムを貸してもらえませんか?」
ジンはうなずいた。
「一時的に雅也君に起動許可をお願いします」
『了解』
「これで使えるわよ。使い方はわかるよね?」
「はい」
「それじゃお休み」
ジンも外に出て行った。
雅也はコンピューターシステムでいろいろな調べ物を始めた。
そして、夜遅くに眠りに着いたのであった。