第6話 破滅と誕生
雅也は暗い世界にいた。
この世界には何度か来た事はある。
そう夢の入り口だ。
雅也は辺りを見回した。
見回してみると一つの石が落ちていた。
青く透き通った輝く石だった。
「この色見た事があるぞ・・・そうだ俺の右目の色だ」
雅也はその石を触るとなんだが声にならないエネルギーが流れてくるようだった。
石を触っていると、石は色を失って灰色のただの石になってしまった。
「あれ、色がなくなったぞ」
石は跡形も無く崩れ落ちる。
その代わりに雅也の目に異変が置き始めた。
「うっ目が・・・痛い。手も足も・・・体全体が熱いし痛い」
あまりの痛さで、ベットの上に寝ていた雅也は飛び上がるように起きた。
隣には風魔がいた。
「おはよう雅也」
風魔の笑った笑みには毎回寒気が走るほどだった。
「お前うなされていたぞ」
雅也は目を擦りながら腰を上げる。
「あぁ夢で体全身が痛くなったんだ」
「また変な夢を・・・それより、よかったな花蓮に殺されなくてよ」
雅也はボールペンに貫通された左肩の傷が治っていることにきずいた。
「殺されてない・・・おまけに直っている左肩が・・・でも俺は負けたんだよな、なら殺されるんじゃなかったのか?」
風魔は右手に持っていた筒を雅也に渡した。
「花蓮からだ。読んでみろ」
風魔の顔には優しい笑みが流れていた。
―新芽 雅也 様
あなたを『風魔第2部隊』に入団させることになりました。
なおあなたに否定する権利もありません
だって私に負けたんですからね―
「よかったな雅也。お前は俺の部下になったんだ」
「ちょっと待てよ。話がいきなりすぎるだろ・・・」
「あぁちょっと大変な事になったからな、さっき決まった事なんだ」
雅也は思わず聞いた。
「大変な事?」
風魔はため息をつくと雅也だけに聞こえる声で言った。
「お前の住んでいた世界が黒の騎士団によって破滅した」
「えっ嘘だろ・・・」
「嘘じゃ無い、本当だ」
雅也はショックを隠せなかった。
あまり良い世界だったとはいえなかったが、自分が生まれた場所の世界がなくなったのだ。
「でも何で?!」
雅也は風魔につっかみかけるように言った。
「まだそこのとこは不明だ。今、華蓮たちが調べている途中だ。だがここの場所も狙われるのも時間の問題だ。そこでだ、急遽部隊の強化および増員する事になった」
「それで俺が入る事に・・・」
「あぁそうだ」
雅也はベットの布団に潜り込んだ。
「もう少し時間をくれよ風魔。自分がわからないんだ。意味不明の目に、意味不明の世界、意味不明の滅亡、こんなのいきなり来てもわからないんだ」
布団は団子のように丸くなった。
「あぁ別にかまわんが、これは生きるか死ぬかの時間を削る意味ってことを忘れるなよ」
風魔は風のように消えず、ゆっくり病室から出て行った。
雅也は布団の中で考えていた。
「俺は人間か?あぁ多分人間だ。この世界は本物か?あぁ本物だ。この目は本物か?あぁちゃんと見えるから本物の目だ」
雅也はパニックになった時、自問自答をする癖がある。
「ならこの目は本当にアビリティ・オブ・アイなのか?それはわからない。なら本当に前いた世界は破滅したのか?それもわからない。なら俺はどうすればこの問題を解けるんだ?聞く?調べる?そうだ誰にだ?風魔とか花蓮?。そうだ解決の手口はある。なら答えは出た」
雅也は布団をバッと放り投げ病室を後にした。