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     第2話 3つの秘密

 屍の山。赤い血。刀。風魔。

 雅也の頭の夢にはそれしか思い出せない。

 

 雅也は眠りから覚めだした。

 

「うっここは」

 雅也は周りを見渡す。

 周りには、ドラム缶と汚いソファーがあるだけ。

「ここは工場か」

 何か忘れているような気がする。

 そうだ風魔だ。

 雅也はさらに辺りを見渡す。

 だがやはりいない。

「くそどこにいったんだ」

「ここにいるぞ」

 真後ろから風魔の声が聞こえる。

 雅也は後ろを振り向くと、片手にスーパーのビニール袋を持った風魔がいた。

「おはよう雅也君」

 にこやかな笑顔は体をゾクっとさせるものだった。

 雅也は風魔から離れた。

 なぜかというと、風魔は敵か味方かわからない奴だからだ。

「お前は何者なんだ」

 雅也は問いかける。

 風魔は歩いて汚いソファーに座った。

「お前も座れよ。聞きたいんだろ色々と。なら飯食べながら話そうぜ。永くなるだろうから」

 風魔はビニール袋から調理済みの焼きそばとお好み焼きをだした。

 その時、雅也のお腹がなった。

「腹減ってるんだろ。なら座れ。毒とか入ってないから安心しろ」

 雅也は食べ物の匂いに誘われてソファーに座った。

「どっちにするか」

「お好み焼き」

 風魔はお好み焼きを雅也の前に置く。

「ありがとう」

 雅也はボソと言った。

 風魔も箸を手に持ち、焼きそばを食べだした。

「んでお前は何を聞きたいんだ」

 雅也は箸を置き言う。

「あの男は誰なんだ。アビリティ・オブ・アイって何なんだ。何故お前は消えれる。以上3つだけだ」

 風魔も箸を置きソファーに寄りかかった。

「まぁ話は長くなるが耳の穴をよく開いて聞けよ。まずあの男だが、あいつは黒の騎士団(ブラック・ナイツ)の一味だろう。黒の騎士団(ブラック・ナイツ)とはな、殺しなど恐れない悪の集団って言えば早いかもしれん。多分お前が狙われたのは目を奪いに来たのだろな」

 雅也は目を閉じた。

 屍の山・赤い血・刀。

 雅也は目を開けた。

「問題になった目。アビリティ・オブ・アイってのどんなものなんだ」

 風魔が一呼吸してから言う。

「アビリティ・オブ・アイとは、簡単に言えば特殊な目といえば良いかな。この前俺がお前の心を読んだだろ。これが俺の目の力を持ちし者アビリティ・オブ・アイ、千里眼だ」

雅也は驚くように言う。

「千里眼だって。あれは架空のものじゃないのか」

 風魔は頭をぽりぽりとかきながらため息をついた。

「じゃこの前の心を読んだってのは、俺が適当に言ったとでも言いたいのか」

「うっそれは・・・わたった信じるよ。じゃ俺にも千里眼が使えるのか?」

 風魔はグラサンをとった。

「お前この瞳の色が何色かわかるか?」

 雅也は風魔の目をよく見た。

「黒だろ?」

「と思うだろ」

 風魔は立ち上がり、ポケットに入れていた鏡を雅也に渡した。

「その鏡で俺を見てみろ」

 雅也は風魔の隣に行き、鏡を通して風魔を見た。

「これは・・・黒じゃない・・透明だ。ありえないだろ」

「そうだ。これが俺の本当の目だ」

 雅也は血の気が引いた。

「お前も自分の目を見てみろよ。そしたら、狙われた理由がわかるからよ」

 雅也はドキドキしながら目を閉じ、鏡を自分の前にやる。

 ゆっくり目を開けると、雅也の瞳は右目が青く透き通った色。左目はまだよく判別できない色だった。

「それがお前の本当の目だ」

「これが俺の目・・・でもなんでこの鏡だったら本当の目が見れるんだ?」

「それはこの世代の代物じゃないからだ」

 雅也は一瞬戸惑った。

「もしかしてタイムワープしてきたのか?」

「ちょっと違うな。俺はある人にこちらの世界に送られてきたんだ」

「それもアビリティ・オブ・アイか?」

「あぁそうだ」

 雅也はちょっと嬉しかった。

 退屈だった日常が変わる。まるでゲームの世界だ。

「話は戻るが目にも種類がある」

「種類?」

「良い反応だ。まず俺みたいに色が無い目を水晶の目と言われている」

「まぁそんな感じだな」

 風魔はわざと咳き込んだ。

「次にお前みたいな蒼い目を空の目と言われている。まぁ他にも色んな種類があるけどな」

 雅也はにこと初めて今日笑った。

「へぇそうなんだ。それで話が変わるが何故お前は消えれるんだ」

 風魔は左手につけた指輪を見した。

「この指輪で俺は消えれるんだ」

 風魔の指輪は緑色に輝いている。

 だか風魔は嬉しそうな顔は無く、暗い顔だった。

「この指輪は何故消えれる能力を持っているんだ?」

「この指輪は簡単に言えば目の力を指輪に写したものなんだ」

 雅也は驚くように言う。

「目の力って・・・風魔殺したのか?」

 風魔はため息をつくと

「俺じゃねぇよ。ただその指輪は俺の親友の欠片なんだよ」

 風魔はそっぽを向いた。

「もう良いだろ。消える理由もいったんだからよ。それでだ。お前はこっちの世界にいたらまた他の人たちが巻き沿いになる。だから俺たちはお前を保護しにきた。だからこっちの世界に来い。これは命令だ」

「あぁそのつもりだ」

 雅也は嬉しさ半分、寂しさ半分だった。

「今日の0時にこの町にある正門神社の鳥居に来い。1分だけ俺たちの世界につながる道が開かれる。以上だ」

 風魔はまた風のように消えていった。

「なんなんだよ。あの風魔!!!!!」

 雅也は風魔がいきなり消えたことに腹を立ててしまった。

「まぁしょうがないんだよな・・・俺がみんなを殺してしまったんだから・・・」

 雅也は冷えかけたお好み焼きを食べ、ポケットに入れていた携帯でアラームを設定し、ソファーに寝転んだ。そして眠った。

 

 

 

 


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