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共通Ⅱ-B ハルメン探し


あの村の人がいっていたハルメンがここにもきているのは間違いない。

人形劇を観にくる子供達を拐ったハルメンを私は許せないのだ。

もしかしたらクルスニードは子供達の為にハルメンを捕まえようとしているのではないだろうか。


なら私もハルメンを探せばきっとクルスニードが見つけられる筈だ。

ついでにあの音楽家にもお礼を言いにいこう。


「きゃっ!?」


なにかに足をひっかけて転びそうになる。触れてみると柔らかでしなやかな細いもの。

暗くてよくみえないがこれは人形用の糸だろう。

とりあえずピアノ線じゃなくて本当によかった。

だけどなぜこんな街中にワナのようなものが張ってあるのかわからない。


「キミガヒッカカッチャダメダヨ~」

「わあああ!?」


人形の生首が私に話しかけたので私は驚き、投げ捨ててしまった。

それはしゅるしゅると糸を張り巡らせ、肉体に頭部がはまった。


「貴方はピエロ……?」


いや薄緑色のさらりとした髪をしていてパレードで見た彼とは違う。


「チガウヨ。アレハ、マスター」

「あの……なんで首が」


私が聞こうとすると、彼は私の後ろをじっとみた。振り向こうとしたら―――


「それは、人形だからです」


その男は濃緑髪<のうりょくはつ>で軽くウェーブしている。顔に白塗りはないが、パレードで見たピエロと同じ人だ。


「もしかしてあなたが子供を拐うハルメン?」

「いきなりなにを言い出すかと思えば……初対面の相手を人拐いと疑うんですか」


街にしかけられたワナと私ではダメと言われたあたりでそれくらいしか浮かばない。


「一つだけ教えてあげましょうか。私が探して捕らえようとしているのは罪人の男です。まず女性の貴女は違いますね」


男は眉をさげ憎らしいほど気味の悪い微笑みを浮かべた。


「そうね、邪魔をしてごめんなさい」


しかたがない忙しいというなら去ろう。

―――ってそんなわけにはいかないわ!!


「あなたどうしてあんなパレードなんて開いてるの!?」

「パレード?」


男はそしらぬ顔でワナを張り直している。


「とぼけても無駄よ。馬車はギイギイ、アコーディオンは不協和音。あれは民への嫌がらせに他ならないわ」

「あれは大王の命令ですから」


大王があんなひどい演奏をやれといったなんて信じられない。


「貴女はハルメンを探しているのでしょう?」

「どうして」


『貴方が子供をさらうハルメン?』


――ああ、私がハルメンのことを口に出したから。


「ハルメンについて微塵も興味がありませんが、私はその特徴を少し知っています」

「教えて」


意地の悪そうな男、ただで教えてはくれそうにないが聞く価値はある。


「では私の名を当ててください」


◆彼の名は


【ハルメン】

【シノープス】

【ピエロ=ドール】

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