ジェント終幕B トオンキーゴ
〔私がやる〕
逃げても待つのは死、なら可能性にかけてみたい。
「私が劇を披露するわ!」
師匠なら王の満足する劇が出来ただろう。だけどいつまでも頼ってばかりではだめだ。
この隙にクリュトラ達に各自なんとかしてもおう。自信はないけれど、私にやれる事はこれくらい。
●【可哀想な歌姫】
音楽を愛する国に生まれたお姫様はとても歌が下手くそです。
草木を枯らしてしまうほどのそれは国中の民を不快にさせてしまいました。
お姫様は自分の歌が下手だとは思いません。
そうして自分を受け入れない民を国を捨てお姫様は旅に出ます。
そして旅の最中に仲間ができます。ハーピー、セイレーン、、など皆はお姫様とは違い歌が上手いのです。
しかし仲間外れにされてしまったのです。
ハーピーは歌の下手な種族で異質だからと孤独になりました。
セイレーンは歌で船を沈める種族ですが、その力がありませんでした。
そうして最後に出会った歌の嫌いな王様はお姫様の下手な歌を気に入りました。
●
「おしまい」
「結局はお約束か、つまらんな」
しかし王は笑っていて、殺気が消えた。
「だがその音嫌王の人形をおいていくなら見逃してやろう」
姫のほうが可愛いのにどうしてそちらがほしいのかわからない。
だけどそれで生きられるならば安いものだ。
「結局、師匠もジェントの友人も見つからなかったわね」
「だが、一つ確証はある。奴は生きているようだ」
どうしてジェントが友人の生存を知ったのかわからない。
だけど目的は一つ果たせた。
「よし、次は君の師匠を探すんだったな」
「一応世話にはなった。借りは返そう」
師匠、絶対に見つけるから待っていて!!
【ノーマル...人生は不満足】




