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ジェント終幕C 臆病者の逃避
〔臆病〕
だから彼は逃げたに違いないわ。
〔去る〕
無駄な探索は必要ないと思う。でもジェントは残るというので私たちも残留する。
〔逃げる〕
「二人とも、逃げましょう!!」
他二人は打破できても、王はやはりまともに敵う相手ではない。
芸を披露しても、どうせ助かりっこない。
挑んでもどうせ負けるのなら逃げるほうが得策だ。
「二人とも、今のうちに行け!」
ハンターのクリュトラさんは逃げる理由がない。だから敵を引き付け私とジェントを先にいかせる。
「くそ……笛が!!」
ジェントが落としてしまった楽器を拾いにいく。
「危ないわ!!」
「……我の目的は貴様だ」
――気がつけば私は真っ暗な世界にいた。
助けられなくてごめんなさい師匠。それと彼らはどうなったのだろう。
「実に美しい生き人形だ」
手足の自由は生糸に奪われて、自分が呼吸しているのかもわからない。
【バッド...操り人形の喪失】




